fc2ブログ

力学その17

運動座標系に対する運動方程式



地球表面に座標S'をとった場合だと地球の自転につれて、座標原点もO'も移動する。
この場合は、地球の中心に原点を置く慣性系を選べばよく、この慣性系に対するS'の原点の位置ベクトルをr_0とし、
S'系における質点の座標をr'とすると

r = r_0 + r'

により、慣性系Sにおける質点の位置を表すことが出切る。
同様に速度は

v = dr/dt = dr_0/dt + dr'/dt

であり、S'系が角速度ωで回転しているので

dr'/dt = d*r'/dt + ω×r'

である。
さらに加速度は

dv/dt = d^2r_0/dt^2 + d^2r'/dt^2

なので

d^2r'/dt^2 = d^2*r'/dt^2 + 2*ω×d*r'/dt + ω×(ω×r') + d*ω×r'

となる。dω/dtは

dω/dt + d*ω/dt + ω×ω

であるが、ω×ω=0なので結局

dω/dt = d*ω/dtとなる。

ここで、運動方程式

m*dr/dt = F

とすると

m*(d^2r_0/dt^2 + d^2*r'/dt + 2*ω×d*r'/dt + ω×(ω×r') + d*ω×r') = F

d^2*r'/dtについての式に直すと、

m*d^2*r'/dt^2 = F - m*d^2r_0/dt - 2*m(ω×d*r'/dt) - m*ω×(ω×r') - m*dω/dt×r'

となる。ここで右辺第一項は外力、第二項は原点の加速度による慣性力、第三項はコリオリの力、第四項は遠心力である。
最後の項は、回転の加速度による見かけの力である。

例題1

水平面内で一端Oの周りを一定の角速度で回転する管を考える。
管の中にあるある質点の運動を調べる。

まず、直感的な解法から考える。
管の角速度をω,質点の質量m,Oから質点までの距離をrとする。この時質点に働く遠心力はm*ω^2*rである。
そのため運動方程式は

m*dr^2/dt^2 = m*ω^2*r

となる。これをt=0の時初期値aで速度なしとして解くと

r = a*coshωt

となる。

このため質点の角運動量は

L = mωr^2 = m*a^2*ω*cosh^2ωt

となる。角運動量は力モーメントに等しく、今回の力は管が質点に与える抗力のみなので、

dL/dt = N = r*S

となる。したがって抗力Sは

S = 1/r*dL/dt = 1/(a*coshωt)*2*m*a^2*ω^2*coshωt*sinhωt

 = 2*m*a*ω^2*sinhωt

となる。これは管の運動の平面内にあり、かつ管に垂直である。
これはコリオリの力である。


次に、管と共に回る座標系で見た場合を考える。この場合、管に沿ってx軸を取り、管が回転する面内で、xに垂直にy軸を取る。
x,y面内の運動方程式は、回転座標系の運動方程式より

m*d^2x'/dt^2 = 2*m*ω*d*y'/dt + m*ω*x^2 + S_x
m*d^2y'/dt^2 = 2*m*ω*d*x'/dt + m*ω*y^2 + S_y

となる。S_xとS_yは管を一定の角速度で回転させた時の質点のところに加わる力である。

質点は管内にあって、束縛はなめらかであるため

y' = 0, dy'/dt = 0
S_x = 0 , S_y = S

である。Oから質点までの距離をrとすれば、x'=rなので

d^2x'/dt^2 = ω^r
d^2y'/dt^2 = -2*m*ω*dr'/dt + S = 0

となる。これは先と同じ結果である。

問題8-6-1

管の先端まで動いた時の運動を調べる。
管の長さをAとすると、先端の時の質点の速度はωa

また、管の中を通って質点が得た速度はω*sqrt(a^2 - r_0^2)

これを合成したベクトルの方向へ飛ぶ。
また速度は余弦定理とかあのへんから求めて

v = sqrt(aω^2 + ω*sqrt(a^2-r_0^2))

 = ω*sqrt(2*a^2-r_0^2)

となる。正直質点の管中速度の式がどこから出てきたか分からん。?



8-7 地球表面近くでの運動



地球表面で糸におもりをぶら下げると、地球の自転によるコリオリの力は作用しないが、遠心力は作用する。
そのため地球の引力と時点による遠心力の合力がみかけの重力となる。

まず、地球の中心を原点とする座標系で見ると、地表の点r_0は自転(角速度ω)のために

dr_0/dt = ω×r_0

を持つ。この時、相対座標上では動いていないので右辺第一項は無い。
したがって自転のための加速度は

d^2r_0/dt = ω×(ω×r_0)

である。
地表の定点を新しい原点とし、地表に固定した座標系を考えると、質点の運動方程式は

m*d^2*r'/dt^2 = F - m*d^2r_0/dt - 2*m(ω×d*r'/dt) - m*ω×(ω×r') - m*dω/dt×r'

ここで、右辺第二項は

-m*d^2r_0/dt = -m*ω×(ω×r_0)

となり、これは自転による遠心力である。
これは重力の約1/300である。
右辺第四項は質点が原点からr'だけ離れているための遠心力であるが、
今回は地表の話なのでr'の硬派無視できる。
したがって、質点には地球の引力と遠心力が合わさった見かけの重力が鉛直下方に作用する。
鉛直上方にz軸、南方にx軸,東方にy軸をとり、これらの方向に分けて運動方程式を考える。

z軸方向に働く見かけの重力を-mgと書く。

運動方程式において、自転の角速度ωの成分を求める必要がある。
そのため鉛直線が赤道面となす角をλとし、角速度の大きさをω'とすると

ω_x = -ωcosλ
ω_y = 0
ω_z = ωsinλ

となる。そこで

ω×dr/dt は成分ごとに計算すると

ω×dr/dt = -ωsinλ*dy/dt*i + (ωcosλ*dz/dt+ωsinλ*dx/dt)*j - ωcosλ*dy/dt*k

となる。

運動方程式において、

m*d^2*r'/dt^2 = F - m*d^2r_0/dt - 2*m(ω×d*r'/dt) - m*ω×(ω×r') - m*dω/dt×r'

第二項は重力と合わさり、第四項は無視、第五項は一定速度の角運動量なので消え、結局各成分は

m*d^2x/dt^2 = X + 2*m*ω*sinλ*dy/dt
m*d^2y/dt^2 = Y - 2*m*ω*(sinλ*dx/dt+cosλ*dz/dt)
m*d^2z/dt^2 = Z -mg + 2*m*ω*cosλ*dy/dt

となる。ここでX,Y,Zは重力以外の外力の成分である。右辺の第二項は地球の自転によるコリオリの力を表している。

落体に対する自転の影響



南極の方から見れば、高い塔の上は地面よりも早く右に動いている。
そのため、塔の上から落とした物体は地表に対して右の方へ初速度を持っている。
つまり、塔の真下よりも東へずれて落ちるのであるが、これを運動方程式から確かめる。

地球の自転を考慮した運動方程式は先に求めた、

m*d^2x/dt^2 = X + 2*m*ω*sinλ*dy/dt
m*d^2y/dt^2 = Y - 2*m*ω*(sinλ*dx/dt+cosλ*dz/dt)
m*d^2z/dt^2 = Z -mg + 2*m*ω*cosλ*dy/dt

である。
外力がないとすればX=Y=Z=0である。また高さhのところから初速0で落としたとすれば、

t=0で

x=y=0,z=h
dx/dt = dy/dy = dz/dt = 0

となる。物体はだいたいz軸に沿って落下するのでdx/dtとdy/dtは無視してもいい。
したがって第一式と第三式から

x = 0
z = h-1/2*g*t^2

を得る。
この二つを第二式に放り込むと

d^2y/dt^2 = 2*ω*cosλ*g*t

を得るので、これを積分すると

y = 1/3*ω*g*t^3*cosλ

となるため、物体はtの増加にともなって少しずつ東へずれていくのである。
また、tを消去すれば

y = 1/3*ω*g*cosλ*(2(h-z)/z)^(3/2)

となる。これをナイルの放物線という。

北極や南極ではλ=±π/2であるため、ずれはおこらない。
λ=45°の時h=100mで東へ1.5cmほどずれて落下する。

このずれはコリオリの力によるものであるが、見かけの力である。
実際には、上空に比べて遅く移動する地表を基準にしているために生じたとうほうへのずれである。

フーコー振り子



長い振り子を用いて地球の自転を直接示す実験があった。これをフーコー振り子という。
大きなおもりと長いひもの振り子を北極で揺らしたとすると、太陽系に対して一定の向きを保つために、振動面が回転する。
この回転は一日に一回の周期であり、地球の自転に対し逆向きである。
局地以外でも振動面は回転し、その周期は緯度λの地点において

1日/sinλ

で与えられる。赤道上では振動面の移動は起こらない。
これを運動方程式から調べる。

紐の長さをl,張力をS,おもりの質量をmとすると運動方程式は

m*d^2x/dt^2 = X + 2*m*ω*sinλ*dy/dt
m*d^2y/dt^2 = Y - 2*m*ω*(sinλ*dx/dt+cosλ*dz/dt)
m*d^2z/dt^2 = Z -mg + 2*m*ω*cosλ*dy/dt

から

m*d^2x/dt^2 = -S*x/l + 2*m*ω*sinλ*dy/dt
m*d^2y/dt^2 = -S*y/l - 2*m*ω*(sinλ*dx/dt+cosλ*dz/dt)

ここでx/l,y/lはそれぞれsin角と同意味である。
小さな振動ではzは-lであり、一定であるため
dz/dt=0となる。よって結局

m*d^2x/dt^2 = -S*x/l + 2*m*ω*sinλ*dy/dt
m*d^2y/dt^2 = -S*y/l - 2*m*ω*sinλ*dx/dt

となる。これらにそれぞれ-y,xをかけて加えると

x*d^2y/dt^2 - y*d^2x/dt = -2*ω*(x*dx/dt+y*dy/dt)*sinλ

となり、さらに変化すると

d/dt(x*dy/dt-y*dx/dt) = -ωsinλ*d/dt(x^2+y^2)

である。両辺をtで積分すれば

x*dy/dt - y*dx/dt = -ωsinλ(x^2+y^2) + C

である。初めに釣り合いの点x=y=0を通過するとすれば左辺はなのでCも0になる。
ここで極座標

x= rcosφ
y = rsinφ

を用いると、φはxとyの織り成す平面の回転角であり、振動面の回転角となる。

式で表すと

rcosφ*rcosφ*dφ/dt + rsinφ*rsinφ*dφ/dt = -ω*sinλ*r

となり結局

dφ/dt = -ω*sinλ

となる。したがって振動面φはωsinλの角速度で少しずつ方向を変えるということがわかる。


例題1

フーコー振り子の運動方程式

m*d^2x/dt^2 = -S*x/l + 2*m*ω*sinλ*dy/dt
m*d^2y/dt^2 = -S*y/l - 2*m*ω*sinλ*dx/dt


は振幅が非常に小さいとするとSがmgに接近していくため

m*d^2x/dt^2 = -mg*x/l + 2*m*ω*sinλ*dy/dt
m*d^2y/dt^2 = -mg*y/l - 2*m*ω*sinλ*dx/dt

とかける。ここでω' = ωsinλとすると、

m*d^2x/dt^2 = -mg*x/l + 2*m*ω'*dy/dt
m*d^2y/dt^2 = -mg*y/l - 2*m*ω'*dx/dt

ζ = x+iyとすると

d^2ζ/dt = -ω_0^2ζ - 2*ω'*i*dζ/dt

ここで、ω_0 = sqrt(g/l)
となる。これをとくと

ζ = e^-iω't*(A*e^i*ω_0'*t + B*e^-i*ω_0'*t)

ただしω_0' = sqrt(ω_0^2+ω'^2)
t=0でx=y=0,dx/dt = v_0,dy/dt = 0とすれば

A = -B = v_0/(2*i*ω_0')

ζ = x + y*i

より、

x = v_0/ω_0 * sinω_0't*cosω't
y = -v_0/ω_0 * sinω_0't*sinω't

を得る。計算略。

問題8-7-1

λ=35.43なので

360/24 *sin35.43 = 8.8°/時間

まとめ

8-6

回転している座標系に対し、運動方程式を調べた。
この時の運動方程式は

m*d^2*r'/dt^2 = F - m*d^2r_0/dt - 2*m(ω×d*r'/dt) - m*ω×(ω×r') - m*dω/dt×r'

であり、右辺第一項は外力、第二項は原点の加速度による慣性力、第三項はコリオリの力、第四項は遠心力である。
最後の項は、回転の加速度による見かけの力となる。

座標軸が等速運動であるなら、第二項や第5項は無視できる。

8-7

地球に当てはめて運動方程式を調べた。
地表での、地球の運動を考慮に入れた運動方程式は

m*d^2x/dt^2 = X + 2*m*ω*sinλ*dy/dt
m*d^2y/dt^2 = Y - 2*m*ω*(sinλ*dx/dt+cosλ*dz/dt)
m*d^2z/dt^2 = Z -mg + 2*m*ω*cosλ*dy/dt

である。x,y,z成分についての運動方程式である。
これを用いると、例えば高い塔の上から落とした物体が塔の真下より少しずれて落ちることなどがわかる。

わからないところ

8-6
問題がやばい。
正直質点の管中速度の式がどこから出てきたか分からん。

8-7
最後の方とか計算式が複雑で多少飛ばしてる。多分合ってると思うんだけど、微妙に不安。
スポンサーサイト



力学その16

8-4 回転座標系



慣性系Sに対して、回転する座標系S'を考える。
2次元の運動から考えれば、慣性系Sに対する運動方程式は、はるか前の章でやったように

m*d^2x/dt^2 = F_x
m*d^2y/dt^2 = F_y

である。
今、S'はSと原点を等しくし、一定の角速度ωで回転しているとする。
t=0でこれらの座標系が一致しているとすると、質点の座標は

座標変換の式を用いて、

x =x'*cosωt - y'*sinωt
y = x'*sinωt + y'*cosωt

となる。

運動方程式をx',y'の式で表すために上記を二回微分すると

d^2x/dt = (d^2x'/dt - 2*ω*dy'/dt - ω^2*x')*cosωt - (d^2y'/dt + 2*ω*dx'/dt - ω^2*y')*sinωt
d^2y/dt = (d^2x'/dt - 2*ω*dy'/dt - ω^2*x')*sinωt + (d^2y'/dt + 2*ω*dx'/dt - ω^2*y')*cosωt

となる。

他方で、力Fの成分はS系では(F_x,F_y)であるが、S'系では(F_x',F_y')であり、
これらの間には

F_x' = F_x*cosψ_0 + F_y*sinψ_0
F_y' = -F_x*sinψ_0 + F_y*cosψ_0

ここで、ψ_0はx軸とx'軸の間の角であり、この変換式は力に限らずあらゆるベクトルで成り立つ。

さらに今の場合は、ψ_0 = ωtである。

これらの式を用いてF_x'とF_y'をx',y'の運動方程式で表すと

m*d^2x/dt^2 - 2*m*ω*dy'/dt - m*ω^2*x' = F_x'
m*d^2y/dt^2 - 2*m*ω*dx'/dt - m*ω^2*y' = F_y'

という2式が得られる。これを書き直すと、

m*d^2x/dt^2 = F_x' + 2*m*ω*dy'/dt + m*ω^2*x'
m*d^2y/dt^2 = F_y' + 2*m*ω*dx'/dt + m*ω^2*y'

となる。これは、座標系S'が慣性系ではないため、回転による見かけの力が二種類発生していることを表す。
質点が回転している座標に対して静止している場合、つまりdx'/dt = dy'/dt = 0のときは、慣性系に対しては円運動をしていることになる。
この場合円運動を保たせる向心力F_x = -m*ω^2*x'などが必要となるため、右辺第三項はこれと釣り合うとみなせる。この第三項はm*ω^2*rと書く事ができ
これは遠心力の式である。

右辺第二項は座標系S'が角速度ωで回転し、質点はこの座標系で速度v'を持っている時に生じる慣性力で、コリオリの力と呼ばれている。
質点が原点を通過しつつあるとき、遠心力は0であるが、コリオリの力ははたらく。慣性系で見ると直進運動でも、回転している座標軸から見ると、回転と逆の方に
ずれていく。この運動が見かけの力によるものと考えた時の力がコリオリの力である。

コリオリの力のをF(C)と書けばその成分は

F(C)_x = 2*ω*m*v_y'
F(C)_y = 2*ω*m*v_x'

ここで、v_x',x_y'はS'系で見た速度v'の成分である。この式にv_x'v_y'をかけて足すと

F(C)_x*v_x' + F(C)_y*v_y' = 0

となる。すなわちF(C)*v=0であるから、コリオリの力はS'系で見た速度v'に垂直な方向に働く。

簡単に考えるために、平面内で回転する座標系の原点を通り、慣性系に対し直進する質点を考える。
微小時間tの間に、xに対してx = vtだけ進む。これは変化しないが、yに対しては最終的に角θ = ωtだけそれるため、結果的にy = -xωtとなる。
つまり

y = -xωt = -vωt^2

となるような変化をするため、2回微分すると

m*d^2y/dy = -2mωv

右辺がこの時働いている力で、コリオリの力である。

z方向に長さωのベクトルω`を考えると、その成分はω`_x = ω`_y = 0,ω`_z = ωであり、
コリオリの力は

F(C) = -2*m*ω`×v'

と書ける。
右辺はベクトル式なので、座標系の取り方によらない。また、ω`は時間的に変化してもよく、その場合はω`は慣性系に対する
座標間の瞬間的な回転速度を表すベクトルとなる。

問題8-4-1

赤道の遠心力の加速度を求める。
遠心力は

m*ω^2*r

なので加速度は

ω^2 * r

ω = 2π/24*60*60(m/s)
r = 6400*10^3 (m)

ω^2*r = 0.034 m/s^2


8-5 角速度ベクトル



慣性系に対して回転している座標系を考え、この座標系にくっついて一緒に動いている質点の位置をrとすると

r = x'i' + y'j' + z'k'

となる。くっついてるのでx',y',x'は変化しないため

dr/dt = x'*di'/dt + y'*dj'/dy + z'*dk'/dt

となる。ここでdi'/dtなどを成分に分けて

di'/dt = ω11*i' + ω12*j' + ω13*k'
dj'/dt = ω21*i' + ω22*j' + ω23*k'
dk'/dt = ω31*i' + ω32*j' + ω33*k'

と書いてみる。係数ωxxが時間的に変化する場いいも含めて考える。
i・i=1,i・j = 0などを微分すれば

d(i・i)/dt = i・di/dt + i・di/dt = 0
d(i・j)/dt = di/dt・j + i・dj/dt = 0

などが分かるため、

ω11 = ω22 = ω33 = 0
ω12 + ω21 = 0
ω23 + ω32 = 0
ω31 + ω13 = 0

の関係を導ける。故に独立な物は三個で

ω1 = ω23 = -ω32
ω2 = ω13 = -ω31
ω3 = ω12 = -ω21

とすると、

di'/dt = ω3*j' - ω2*k'
dj'/dt = -ω3*i' + ω1*k'
di'/dt = ω2*i' - ω1*j'

とまとめて書き直せる。これらを

dr/dt = x'*di'/dt + y'*dj'/dy + z'*dk'/dt

の式に放り込んでまとめると

dr/dt = (ω2*z'-ω3*y')*i' + (ω3*x'-ω1*z')*j' + (ω1*y'-ω2*x')*k'

となるので、ベクトルω`を(ω1,ω2,ω3)として、それぞれi',j',k'方向の成分とすると

dr/dt = ω`×r`

と書く事ができる。

これにおいて、回転座標系に固定した点Pの運動を考えるため、ω`に垂直でPを含む面をω`が切る点をO'とする。
O'を中心にPを通る円を描き、この円が角速度ωで回転しているとするとこの時点Pの速度は

v = ω*r*sinθ

の速さでまわり、しかもその方向はωとrに垂直である。
これは

dr/dt = ω`×r`

によって表される。したがって座標系は角速度ωで回転していると言える。
今回はベクトル積ω`×r`は回転座標系に対するω`とr`の成分で表したが、
ベクトル積は一般に座標の取り方に影響されないので、静止座標系で書いてもいい。

x':y':z' = ω1:ω2:ω3

を満たすようなx',y',z'、すなわち原点を通りω`の方向にある直線上の点は動かない。
この直線を瞬間の回転軸といい、ベクトルω`を角速度ベクトル、あるいは回転ベクトルという。

質点が座標系i',j',k'に対して速度を持つ場合、この速度はまとめて

d*r/dt = dx'/dt*i' + dy'/dt*j' + dz'/dt*k'

と書く事ができる。ここで、d*/dtは、基底ベクトルを微分しないという意味である。
加速度も同様に

d^2*r/dt^2 = d^2x'/dt^2*i' + d^2y'/dt^2*j' + d^2z'/dt^2*k'

となる。ここで静止座標系から見た運動の式として

dr/dt = dx'/dt*i' + x*di'/dt + dy'/dt*j' + y*dj'/dt + dz'/dt*k' + z*dk'/dt = d*r/dt + ω`×r`

となるため、回転座標に関する速度に静止座標系に対する回転ω`×r`を足したものとなる。

上の式は位置ベクトルr`に限らず、任意のベクトルに対して成り立つ。
つまり

静止座標系に関するAの変化は

dA/dt = d*A/dt + ω`×A

となる。
ここで、dA/dtをベクトル関数Aの絶対導関数、d*A/dtを回転座標系に対する相対導関数という。
また

dA/dt = d*A/dt + ω`×A

を、回転座標系の公式と呼ぶ。


まとめ

8-4
回転する座標系にたいして、回転上の運動に見かけの力遠心力とコリオリの力を加えることで
慣性系から見た時の運動方程式が成り立つことを学んだ。

m*d^2x/dt^2 = F_x' + 2*m*ω*dy'/dt + m*ω^2*x'
m*d^2y/dt^2 = F_y' + 2*m*ω*dx'/dt + m*ω^2*y'

式の右辺第二項がコリオリの力であり、第三項が遠心力である。


8-5

回転する座標系に対し、角速度ベクトルを導入することで、慣性系から見たときの速度の式が表せることを学んだ。
式は

dA/dt = d*A/dt + ω`×A

であり、これを回転座標系の公式という。
また、あるベクトルAに対する絶対導関数と別に、基底ベクトルを微分せずに成分のみを微分する相対導関数を導入した。
これはd*/dtで表され、基底ベクトルの位置変化を考慮しない、つまり基底ベクトルから見た変化量を示す関数である。

わからないところ

今日はないかな。結構必死だったけど、落ち着いたらなんとかなった。

力学その15

8-3 座標変換



互いにある角度で交わる2つの座標軸のあいだの変換を明らかにする。

2次元の座標変換



平面内で2つの座標軸OとO'が角度ψで交わっているとする。
x'軸の単位ベクトルをi'とすると、そのx成分はcosψであり、y成分はsinψである。
位置ベクトルrをOでx,y、O'でx',y'であるとする。
すると、x'はxをi方向に正射影したものである。
i'は単位ベクトルであるから、x'はrとiのスカラー積であると考えることも出来る。
すなわち

x' = r・i = x*cosψ + y*sinψ

同様にyについては、j'のx成分、y成分は-sinψ、cosψであるから、

y' = r・j = -x*sinψ + y*cosψ

となる。
この変換は行列の形に直すことができる。
つまり

x' = A*x

とすれば行列Aは

| cosψ,sinψ|
|-sinψ,cosψ|


となる

上の変換は位置ベクトルのみについて考えたが、これはベクトルの変化なので、速度、力その他あらゆるベクトルに適用できる。

行列についての説明はスキップ

3次元の座標変換



原点を共有する2つの三次元座標軸OとO'の間の変換を考える

x,y,z方向の単位ベクトルをi,j,k
x',y',z'方向の単位ベクトルをi',j',k'

とおく。
直交基底ベクトルの変換を

i = a_1_1*i' + a_2_1*j' + a_3_1*k'
j = a_1_2*i' + a_2_2*j' + a_3_2*k'
k = a_1_3*i' + a_2_3*j' + a_3_3*k'

とあする。それぞれにi',j',k'を掛けると

i・i' = a_1_1
i・j' = a_1_2

などの、それぞれの単位ベクトルのあいだの内積、つまり方向余弦が得られる。

これを用いると、位置ベクトルrについて

r = xi + yi + zi
であり、i',j',k'を用いると

r = (a11*x+a12*y+a13*z)*i'
+ (a21*x+a22*y+a23*z)*j'
+ (a31*x+a32*y+a33*z)*k'

= x'*i + y'*j' + z'*k'

となる。それぞれの係数を比較すれば

x' = a11*x + a12*y + a13*z

などが得られるのでこれを行列の形にすれば

|x'| = |a11,a12,a13|*|x|
|y'| = |a21,a22,a23|*|y|
|z'| = |a31,a32,a33|*|z|

と書ける。このことは任意のベクトルuについて言えることである。

変換行列Aは9個の要素を持つが、これらすべてが独立であるわけではない。
i,j,kはそれぞれ直行しており、i',j',k'もまた直行しているため

i・i = a11^2 + a21^2 + a31^2 = 1
j・j = a12^2 + a22^2 + a32^2 = 1
k・k = a13^2 + a23^2 + a33^2 = 1
i・j = a11*a12 + a21*a22 + a31*a32 = 0
j・k = a12*a13 + a22*a23 + a32*a33 = 0
k・i = a11*a13 + a21*a23 + a31*a33 = 0

という全部で6種類の制約が存在しているため、独立な係数は3種類である。?何言ってるのかわからない。
例えば、x'軸の方向を極座標(θ,ψ)で表せば2個の係数が必要であり、これを決めたときにx'軸に垂直な面内でy'軸を決める角度を含め、
3個の係数によってO'座標軸は定まるのである。

逆変換



i・i' = a_1_1
i・j' = a_1_2

先に得られた上のような係数群は、例えばベクトルi'のi,j,k成分がそれぞれa11,a12,a13であることを表していると見ることが出来る。
ここから逆変換

i' = a11*i + a12*j + a13*k
j' = a21*i + a22*j + a23*k
k' = a31*i + a32*j + a33*k

を導くことが出来る。これはつまり変換行列Aの転置A_tである。
したがって行列計算による変換は

u = A*u'
u' = A_t * u

という関係を持つ。

変換行列のあいだの関係式



係数群同士の関係式にから、変換行列の成分の間には

Σ[j=1:3]{ajk*ajl} = δkl = {1(k=l) or 0(k≠l)}
Σ[j=1:3]{akj*alj} = δkl = {1(k=l) or 0(k≠l)}

という関係に帰着する。
これらの関係式の総数は12個である。しかし、座標系の回転は3個の変数で変数で規定されるので
9個の変数のあいだの独立な関係式は6つであり、それらの関係式は基の関係式から導かれるはずである。

Σ[j=1:3]{ajk*ajl} = δkl = {1(k=l) or 0(k≠l)}

から導かれる式は独立であるため、ここから

Σ[j=1:3]{akj*alj} = δkl = {1(k=l) or 0(k≠l)}

を導くことを考える。

行列の形にまとめて

(A)_j_l= a_j_l
(A_t)_k_j = a_j_k

とする。行列の積A_t*Aの要素は

(A_t*A)kl = Σ[f]{a_j_k*a_j_l}

と書く事ができる。

単位行列を1と表現すれば、

Σ[j=1:3]{ajk*ajl} = δkl = {1(k=l) or 0(k≠l)}

の関係式はまとめて

A_t*A = 1

と書ける。

行列の定理で、行列式の積はは基の行列の積の行列式と等しいので

行列式|A|と|A_t|が等しいことに注意すれば

|A|^2 = 1

という式が出来、

|A| = ±1

という式を得る。
また、行列式が0でないならば、ただ一つの逆行列をもつため、

AX = XA =1
A_t*A = 1

より、A_t = A_-1となる。つまりここから
A*A_t = 1となるため、二つめの関係式群

Σ[j=1:3]{akj*alj} = δkl = {1(k=l) or 0(k≠l)}

が導かれるのである。

なおi',j',k'がつくる正方体の体積はスカラー三重積によって与えられるが、これを基本ベクトルで書くと

(i',j',k') = |A|

である。ここでi',j',k'は右手座標系をなし、単位体積の正方体をつくるため、

(i',j',k') = |A| = 1

とならなければならない。


オイラーの角



方向余弦の表に表したように、2次元の座標変換は一つの角を用いて表すことができた。
これに対して、3次元の2つの座標軸の間の関係を具体的に表すには、3つの角が必要である。
これらの角としては、オイラーの角(φ,θ,ψ)が便利である。オイラーの角は、空間における剛体の配向(傾き)を表すのに用いられる。

まず、座標系Oから座標系O~に移り、さらに座標系O'へ移り、最終的に座標系O2へ移ることを考える。


まず第一段階ではz軸の周りにψだけ回転することを考える。これはz軸は動かずに、x,yの二次元の回転となるので
変換行列A~は

A~ = | cosψ,sinψ,0|
|-sinψ,cosψ,0|
| 0, 0,1|

となる。二次元の座標変換の行列に、z軸が回転しないことを表す行と列が加わったものである。

次に、z軸とx~軸を含む面内からy~軸を中心に角θだけ回転することを考える。これもまたy~軸は変化しないため

A~' = | cosθ, 0,-sinθ|
| 0, 1, 0|
|-sinθ, 0, cosθ|

となる。

第三段階では、z'軸の周りにφ分回転させるので、

A' = | cosφ,sinφ,0|
|-sinφ,cosφ,0|
| 0, 0,1|

となる。したがってこれらを総合させる変化は

r2 = A'*A~'*A~*r

となるため

r2 = A*r

を満たすAは

A = A'*A~'*A~であり計算すると

A = | cosθcosψcosφ-sinψsinφ, cosθsinψcosφ+cosψcosφ,-sinθcosφ|
|-cosθcosψsinφ-sinψcosφ,-cosθsinψsinφ+cosψcosφ, sinθsinφ|
| sinθcosφ, sinθsinφ, cosθ|

となる。長い。

ベクトル積の変換



ベクトル積a×bはこれを構成するベクトルa,bと同様に変換される。
計算するとそのとおりになる。つまり

(a×b)_x' = (a×b)_x*cosφ + (a×b)_y*sinφ

といった具合である。
ただし、座標軸の反転に対して、ベクトルa,bの各成分は反転するが、ベクトル積a×bは明らかに反転しない。
この点で区別するとき、ベクトルa,bのような、座標軸の反転に対して各成分の符号が変わるベクトルを極性ベクトルといい、
ベクトル積のような変換をするものを軸ベクトル、あるいは擬ベクトルという。力のモーメントや、角運動量は極性ベクトルの式なので軸ベクトルである。

問題8-3-1


A~' = | cosθ, 0,-sinθ|
| 0, 1, 0|
| sinθ, 0, cosθ|

A~ = | cosψ,sinψ,0|
|-sinψ,cosψ,0|
| 0, 0,1|

よって

A~'*A~ = |cosθcosφ,cosθsinφ,-sinθ|
| -sinφ, cosφ, 0|
|sinθcosφ,sinθsinφ, cosθ|

まとめ

8-3
座標を変換するための式について調べ、それは行列の積で表すとコンパクトになることを調べた。
また、座標の変換の変換行列は転置することで対称性を持つ。つまり
変換行列Aについて

X' = AXとなるならば
X = A_tX'である。

2次元ならば、座標変換はひとつの角で表すことが出来、変換行列は

A = | cosψ,sinψ|
|-sinψ,cosψ|

である。しかし、三次元の場合は3つの角が必要となる。オイラーの角(θ,φ,ψ)を用いれば
幾通りかの変換パスを経て最終的には

A = | cosθcosψcosφ-sinψsinφ, cosθsinψcosφ+cosψcosφ,-sinθcosφ|
|-cosθcosψsinφ-sinψcosφ,-cosθsinψsinφ+cosψcosφ, sinθsinφ|
| sinθcosφ, sinθsinφ, cosθ|

という変換行列が導かれる。

またベクトル積についても、ベクトル積の結果を一つのベクトルとしてみれば、同じように変換することが出来る。当たり前。


わからないところ

変換行列内の各成分の独立性について、何故9個の成分とあの6個の式で3つの独立変数というのがでてきたのか?

力学その14

8 相対運動

8-1 回転しない座標系

電車が加速したり曲がっているときは、いつもの運動方程式は成り立たない。
地球も自転しているため、長い振り子などには、単純に運動方程式を適用させることが出来ない。
しかし、太陽を中心にし、恒星系に対して静止した座標系を考えるとニュートンの運動方程式が成り立つ。
このような、ニュートンの法則がそのままで成り立つ座標系を慣性系という。

慣性系に対し、動いている座標系がどうなるか考える。

原点をO、x,y,z軸のS座標系に対し、運動している原点O'、x',y',z'のS'座標系を考える。
また、Sから見たS'の原点Oを(x_0,y_0,z_0)とする。

はじめにSが回転していない場合を考える。SとS'の座標軸がそれぞれ平行ならば

x = x_0 + x'
y = y_0 + y'
z = z_0 + z'

がなりたつ。それぞれを成分とするベクトルrを考えると

r = r_0 + r'

である。
慣性系Sに対しては運動方程式

m*d^2r/dt = F

が成り立つ。
そこでrを二回微分すると

d^2r/dt^2 = d^2r_0/dt + d^2r'/dt

つまり

m*d^2r'/dt^2 = F +(-) F'

ここでF'は

F' = -m*d^2r_0/dt^2

である。

先の式に置いて、m*d^2r'/dt^2はS'系における仮の加速度である。
つまり、この式は、S'を基準にした運動方程式である。また、このS'が加速度運動をしているために、F'がさう要しているようにみえる。
このF'はみかけの力であって、慣性力と呼ばれる。

相対速度が一定の場合、原点の移動速度v_0は一定であるため、d^2r_0/dt^2 = 0である。
そのためS'系に対しても、

m*d^2r'/dt^2 = F

が成り立つ。言い換えると、「ひとつの慣性系Sに対して等速度で動く座標系S'も慣性系である。」
これをガリレイの相対性原理という。

相対速度v_0が一定ならば,その方向をx軸に取り、これらが重なるようにすれば

x = v_0t + x'
y = y'
z = z'

微分すると

v_x = v_0 + v_x'
以下略

によって(x,y,z)と(x',y',z')のあいだの関係を付けられる。この関係をガリレイ変換という。

問題8-1-1

y,zはそもそも同じなのでxのみで考える
d^3x/dt^3 = d^3x'/dt^3
よって等しい


8-2 重心系と実験室系

原子核実験などで、2個の粒子の衝突が問題にされる。6章で、一方の粒子に対する他方の粒子の運動(相対運動)を扱った。
重心運動は衝突によって変わらないから、重心と共に移動する座標系は一定速度で動く。この座標系を重心系という。
重心をr_0 = Oとすると、相対座標r = r_2-r_1を求めたあとは、

r_1 = -m_2/(m_1+m_2)*r
r_2 = -m_1/(m_1+m_2)*r

によって、各粒子の位置を知ることが出来る。

原子核実験では静止した原子核に他の粒子をあてて、散乱実験を行うことが多い。
実験室に固定した座標系を実験室系という。重心系と実験室系の間の座標変換はガリレイ変換である。

例えば質量m_1の粒子が実験室系で静止していたとし、質量m_2の粒子を速度v_0で入射したとする。
全運動量m_2*v_2が重心の運動量(m_1+m_2)*v_gと等しいので

(m_1+m_2)*v_g = m_2*v_0

が与えられる。また、実験室系から重心系に移動するときは
それぞれの速度から重心の移動速度を差っ引けばいいので

重心系のそれぞれの速度をV_1,V_2とおくと

V1 = v_1 - v_g = -m_2/(m_1+m_2)*v_0
V2 = v_0 - v_g = m_1/(m_1+m_2)*v_0

となる。重心系では散乱後も重心は静止しているので
散乱後の速度をV'とすれば、運動量保存則より

m_1*V_1' + m_2*V_2' = 0

また、エネルギー保存則より

1/2*m_1*V_1^2 + 1/2*m_2*V_2^2 = 1/2*m_1*V_1'^2 + 1/2*m_2*V_2'^2 = m_1*m_2/(2*(m_1+m_2))*v_0^2

連立方程式として解くと

V_1'^2 = m_2^2/(m_1+m_2)^2 * v_0^2

となる。すなわち散乱後の速さは

|V_1'| = m_2/(m_1+m_2)*|v_0|
|V_2'| = m_1/(m_1+m_2)*|v_0|

となる。これは衝突前のそれぞれの速度の大きさと等しい。
つまり、重心系では2粒子とも散乱前の速さと散乱後の速さが等しく、散乱は重心系に対して対称にみえるのである。

ここから実験室系に戻るには、それぞれの速度に重心の速度を足してやればいい。
v_1 = V_1 - V_1 = 0
v_2 = V_2 - V_1 = v_0
v1' = V_1' - V_1
v2' = V_2' - V_1

である。
実験室系での散乱角Φと重心系での散乱角φの間には

tanΦ = V_1'*sinφ/(V_2'*cosφ+V_1')

という関係がある。ここで

V_1/V_2 = V_1'/V_2' = m_2/m_1

を持ち込むと

tanΦ = sinφ/(cosφ+(m_2/m_1))

となる。

問題8-2-1

質量が等しい玉なので、玉1の速度をv_1,玉2の速度をv_2とすると
運動量より

2m*v_g = m*v_1+m*v_2

よって重心の速度v_gは

v_g = v_1+v_2/2

重心系に移って、初速度は

V_1 = v_1 - v_g = v_1-v_2/2
V_2 = v_2 - v_g = v_2-v_1/2 = -V_1

衝突後の速度はエネルギー保存則より

m*(V_1'+V_2') = m*(V_1+V_2) = 0

V_1' = -V_2'

1/2*m*V_1'^2 + 1/2*m*V_2'^2 = 1/2*m*V_1^2 + 1/2*m*V_2^2

V_1^2 = V_1'^2

V_1' = ±V_1

一致するのはありあえないのか?

V_1' = -V_1 = V_2
V_2' = -V_1' = V_1

実験室系に戻ると

v_1' = V_1' + v_g = v_2
v_2' = v_1

となり、どちらの系でも双方の速度が交換される。


まとめ

8-1

固定座標に対し、運動する座標を考えた。
座標系が加速度運動している場合、運動している座標系での運動方程式では、見かけの力が働くようにみえる
これを慣性力という。
また、座標系が等速運動ならば、そのままニュートンの運動方程式が成り立つので、これも慣性系である。


8-2

重心を原点とする座標系を考えた。外力が働かない場合、重心は等速運動をするため、慣性系として見ることが出来る。
また、原子核実験などでは、重心系と実験室系で計算しやすい方を行き来したりする手法がよく取られる。


わからないところ

問題8-2-1

普通に計算すると衝突後の速度は2種類ありうる。直感的にはそのままというのはありえないので一方が否定されるが、
数式上ではどのように否定されるのだろうか。

力学その13

7-3 剛体の慣性モーメント その2

斜面を転がり落ちる玉の加速度を求める。
転がり摩擦は無視できるものとし、はじめ玉はは静止している。

この問題にはエネルギー保存の法則を用いるといい。
それは、角運動量と直線運動の総合であるから。

球の半径をa,質量をM,斜面に沿う速度をv,球の慣性モーメントをI,回転の角速度をωとすると

1/2*M*v^2 + 1/2*I*ω^2 + M*g*y = M*g*H

となる。ここでyはある時点での球の高さ、Hは初めの時点での球の高さである。

また、球と面の間には滑りがないので、球の進んだ距離は接地点の進んだ距離である。
そのため

a*ω=v

である。

したがってまとめると

1/2*M*v^2 + 1/2*I*v^2/a^2 = M*g*(H-y)

となる。ここでh-yは斜面の角θを用いると、球の進んだ距離sに対し

H-y = s*sinθ
となるため結局

1/2*(M+I/a^2)*v^2 = M*g*s*sinθ

これをtで微分すると

1/2*(M+I/a^2)*2*v*dv/dt = M*g*ds/dt*sinθ

ds/dt = vなので

(M+I/a^2)*dv/dt = M*g*sinθ

よって

dv/dt = M*g*sinθ/(M+I/a^2)

ここで密度が一様な球の慣性モーメントは2/5*M*a^2なので

dv/dt = M*g*sinθ/(M+2/5*M) = M*g*sinθ/(7/5*M) = 5/7*g*sinθ

となる。
g*sinθは重力加速度の斜面に沿う成分である。
もし回転を考えないならば、加速度はg*sinθである。
しかし、密度が一様な球は珠の大きさに関係なく、回転にエネルギーを取られるため、加速度は5/7倍になる。

斜面に接するところで球に滑りがないとしているので、転がりの静止摩擦力が加わる。
これは回転を加速する。(回転の向きは落ちる向きと逆であるため)
摩擦力をFとすれば、球の重心にかかる力のモーメントはF*a(スカラーであるため)
これが重心の周りの回転を加速する。したがって角運動量の運動方程式より

I*dω/dt = F*a

となる。先のようにωはv/aなので

F = I/a^2 * dv/dt

であり、先に求めたdv/dtより

F = 2/5*M*a^2/a^2 * 5/7*s*sinθ = 2/7*M*g*sinθ

となる。
面と球の間に滑りがなければ、この摩擦力は仕事をしないので、エネルギーは変化しない。これは静止摩擦である。?

静止摩擦Fは最大静止摩擦力F_0を超えることが出来ない。
静止摩擦係数をμとすると、最大静止摩擦は斜面に垂直な重力の成分M*g*cosθに比例するので

F_0 = μ*M*g*cosθ

したがって滑らない、つまり静止摩擦が最大静止摩擦力を超えない場合のを考えると

F_0 > F

つまり

μ*M*g*cosθ > 2/7*M*g*sinθ

変形すると

1 > 2/7*1/μ*sinθ/cosθ

tanθ < 7/2*μ

を超える角度になると滑りが発生する。


玉突きの問題

水平面上においた密度一様球に、中心を含む鉛直面内で水平な撃力を与えた時の運動を調べる。
今回は力積を用いると分かりやすい。

撃力の力積をJとする。力積は運動量の変化に等しいので、質量Mの球は極めて短時間の作用で

M*v_0 = J

を満たす。つまり初め静止なので、運動量の変化はそのまま初速である。
同時に撃力のモーメントによって回転運動も生じる。撃力Fが面から高さlのところで水平に与えられたとすると、
重心に対する力のモーメントは、球の半径aとして

(l-a)*F

である。実際には静止摩擦が発生するので摩擦力をF'とすると

I*dω/dt = (l-a)*F - a*F'

となる。撃力の働く短い時間でこれを積分すると

I*ω_0 = (l-a)*J

極めて短い時間の摩擦力の力積は無視できる。また、初め静止しているので角運動量の変化はそのまま角速度の初速である。

この時の右辺は力積モーメント、あるいは角力積と呼ばれる。

慣性モーメントIは一様球なので2/5*M*a^2なので
回転のための速度の大きさa*ω_0は

a*ω_0 = (l-a)*J*a/I = (l-a)*J*a*5/(2*M*a^2) = 5(l-a)*J/(2*M*a)

となる。これは、滑りがなければ球の進行と完全に一致する速度のはずである。
逆を言えば、球の、面に対する滑りの速度v'は

v' = v_0 -a*ω_0

である。計算すると

v' = J/M - 5(l-a)*J/(2*M*a) = J/M(1 - 5(l-a)/2a) = J/M*(7a-5l)/2a

となる。ここで、球を打つ高さlに注目すれば三つの場合が考えられる。

一つめはv' = 0、となる場合つまり
l = 7/5*aとなる場合。
この時滑りは存在しないので、球はほとんど初めの速さで転がり続け、静止していた同じ質量の他の玉に正面衝突するとこれを動かして自分は静止する。

二つめはv' < 0、となる場合つまり
l > 7/5*aとなる場合。
この時は球の進行よりも回転の方が早いため、摩擦力は回転を減速しながら、直進を助長する方向に働く。
そのため、球は滑りがなくなるまで直進運動が加速され、その後ほぼ一定の速さで進む。
v'<0の間に他の玉にぶつかった場合、これを動かしたあとなお回転運動が前進しようとする。
ビリヤードでは押し球である。

三つめはv' > 0、となる場合つまり
l < 7/5*aとなる場合。
この時滑りの摩擦力は直進運動を減速し、回転運動を加速させる方向に働く。滑りの摩擦係数をμとすると
摩擦力の大きさはμ*M*gであるから、直進速度をv,回転速度をωとすると
滑りだした後の加速度は摩擦のみによって決まり、

直線加速度は運動方程式より
M*dv/dt = -μ*M*g

角運動量は角運動量の運動方程式より
I*dω/dt = μ*M*g*a

となる。

したがってこれらをtで積分すると

v = -μ*g*t + C

t=0の時初速v_0なので

v = v_0 - μ*g*t = J/M - μ*g*t

同じように

dω/dt = 5/2*μ*M*g*a/(M*a^2) = 5*μ*g/(2*a)

ω = 5/2*μ*g/(2*a)*t + ω_0 = 5(l-a)/2a*J_M + 5/2*μ*g/(2*a)*t

これがv = a*ωとなるような時間tまで続く。つまり

J/M - μ*g*t = 5(l-a)/2*J_M + 5/2*μ*g/2*t

t = (7a-5l)*J/(7*M*g*a*μ)

である。最終的には

v = aω = 5l/7a*J/M

となるような速度ですべらずに転がる運動に変わる。もしこのtより前に他の玉にぶつかった場合、
直進運動が止められて、残っていた逆向きの摩擦力によって球は逆に加速されて戻ってくる。
ビリヤードで言う引き球である。
この最後の速度が摩擦係数μに寄らないのは面白い。
さらに、l 0の場合と同じである。


例題2

バットに撃力が加わったとき、回転軸に抗力が生じないような撃力の位置を考える。
つまり、バットのどこに当てれば手が痛くならないかということである。


軸をO、撃力が働く点をx軸上で(x,0)とする。Oの周りの慣性モーメントをIとし、ぶつかった時の力積Y'によって生じる回転の角速度ωは

I*ω = x*Y'

である。また、軸における抗力のx,y成分はO_x,O_yとし、バットの質量をMとすれば、
重心の得た加速度はバットの外力の和と質量の商に等しく

M*v_x = O_x

M*v_y = O_y + Y'

である。

今回はv_xは0であり、v_yはh*ωである?なんで角速度になるの?時間が短いから?

O_x = 0
O_y = ω(M*h-I/x)

である。この軸の抗力O_yがなくなるような位置xを考えればいいので

x_0 = I/(M*h)

この時のxを打撃の中心という。つまり、手で握った場所からx_0だけ離れた点Pでボールを打てば、手は痛くない。

Oを通る直線を固定軸とする物理振り子の相等振り子の長さlはちょうどx_0に等しい。これはOを決めた時のx_0を実験的に見出す方法である。

問題7-3-1

I_z = Σ[j]m_j*r_j^2 = Σ[j]m_j*(x_j^2+y_j^2) = Σ[j]{m_j*x_j^2 + m_j*y_j^2}
=I_x+I_y

問題7-3-2

運動エネルギー式より

1/2*M*v^2 + 1/2*I*ω = x*M*g*sinθ

円柱なので慣性モーメントは1/2*M*a^2

さっきと同じように解くと

dv/dt = 2/3*g*sinθ




7-4 コマの歳差運動

普通のコマは、軸の周りに回転対称に形、質量分布である。
ここでコマを回し、軸を机上に直立させるとそのままで回転を続けるが、
少し傾けると軸が鉛直線と一定の角を保ちながら一定の角速度で旋回する。
これを歳差運動という。コマは、歳差運動の他に軸が鉛直線となす角が周期的に変わる運動も行ない、
これを章動と呼ばれる。これを厳密に扱うのは難しい。
そこで、コマの回転が超早い時の近似を用いて歳差運動を明らかにする。

コマの軸が支点を通る鉛直線(z軸)からθだけ傾いて歳差運動をしているとする。
支点の周りの重力のモーメントは、コマの重心に質量が集まったとすればよいので
コマの質量M、支点から重心までの長さlとすれば
モーメントNの大きさN'は

N' = M*g*l*sinθ

である。また、重力モーメントNは鉛直線とコマの軸を含む平面に垂直である。

支点の周りのコマ全体の角運動量をLとする。微小時間dtの間のLの変化はdLとすれば

dL = N*dtである。

角運動量Lはコマ自体の自転の角運動量と、コマ全体がz軸の周りを回る歳差運動の公転の角運動量からなる。
ここではコマ自体の角運動量がものすごく大きいとして、歳差運動の角運動量を無視できるとする。
すると、角運動量Lはコマの自転角運動量と等しくなる。

そこで、支点からコマの軸に沿ってベクトルLを置く。Lの長さは角運動量Lの大きさに等しい。

歳差運動のために、Pはz軸の周りを半径L*sinθの円を書いて回る。この円運動の角速度をΩとする。
微小時間dtの間にPの動いた距離はΩ*dtに等しい。
また、dtの後のP'とOの距離はすなわち変化後の角運動量であるため
OP'-OP、つまりPからP'へのベクトルは角運動量の変化dLに等しい。

また、dtを十分小さく取れば、PP'の方向はコマの軸とz軸を含む平面に垂直で重力モーメントの向きと等しい。
つまり

dL = PP'がなりたつ。

PP'の大きさを考えると、これは半径L*sinθ,角速度Ωの微小時間の移動量となるので

|PP'| = L*sinθ*Ω*dt

となる。これは角運動量の変化dLと等しいので

dL = L*sinθ*Ω*dt

となる。したがって重力モーメントとの式を立てると

L*sinθ*Ω*dt = M*g*l*sinθ*dt

でありこれをΩについてとけば

Ω = M*g*l/L

となる。軸の周りのコマの慣性モーメントをIとし、軸の周りの角速度をωとすれば、

L = I*ωとなるので、先の式は結局

Ω = M*g*l/(I*ω)

となる。コマの自転が早ければ早いほど、歳差運動は遅くなる。

高速で回転しているコマは、重力が働いても、倒れないで歳差運動を行う。このように
高速で回転している物体は力の方向に倒れないで、力に対して垂直な向きに回転軸が移動する。
これをジャイロ効果という。

地球も引力に対してモーメントを持つので歳差運動を行う。
地球の場合、地軸を立たせる向きに引力のモーメントが働くため、自転と反対の方向に歳差運動を行う。


問題7-4-1

歳差運動の角速度Ω = M*g*l/(I*ω)

I = 1/2*(π*ρ*a^2)*a^2

計算するとΩ = 23.3(rad/s)

問題7-4-2

わからん!解答もないし困った。



まとめ

7-3その2

斜面から転がる球についての運動を導いた。
斜面に対する位置変化(運動)の運動エネルギー、回転の運動エネルギーの和が位置エネルギーであることから導く。

また、ビリヤードのようにある力が球に働いた時の球の運動を調べた。
その結果、打つ位置7/5*aを境にして、回転と直進が釣り合っている場合、回転力が勝る場合、直進力が勝る場合の3種類の挙動があり、
それらがビリヤードにおいては押し球、引き球、真芯と対応していることがわかった。

7-4
コマの歳差運動について、簡単な近似を用いて調べた。
高速で回転するこまの歳差運動は、コマ自体の角速度との関係式

Ω = M*g*l/(I*ω)

によって導かれ、コマの回転が早いほど遅く、また重心と支点の距離が長いほど早くなる事がわかった。


わからないところ

7-3

球が転がり落ちる際に、摩擦を扱ったが、なぜ静止摩擦なのか?回転接地面は滑っているわけではないからか?

例題2において、v_yはY軸方向の速度ではないのか?それを円運動の速度と同一視していいのか?

7-4

例題2のモーメントの向き・自転方向・外力の向きと歳差運動の方向の関係が全然わからない。
数式から出てくるのか?

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR