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力学その10

6 質点系の運動

6-1 運動量保存の法則

硬い棒でも、細かく分ければ各質点が互いに力を及ぼしながら硬い形を作っている。
このような場合を扱う。
極めて多数の質点がある場合でも、質点の集まりを質点系という。

質点系に作用する力には、質点の中の質点相互に作用する内力と、質点の外から作用する外力がある。

2つの質点について
それぞれの内力を考えると運動方程式は

m*d^2r1/dt^2 = F_2_1
m*d^2r2/dt^2 = F_1_2

である。しかし、作用反作用の法則から

F_2_1 = -F_1_2

である。そこで質点1.2の中心を取れば

r_g = r_1+r_2/2

これに対する運動方程式は

m/2*d^2(r_1+r_2)/d^2t = 0

であるため、重心の加速度は0である。言い換えれば、外力がない場合、重心ははじめ運動していれば
何時までも運動し、静止していれば何時までも静止する。

なお、質点1飲みに焦点を絞れば、質点2からの力は外力である。このように質点系の範囲・構成を定めることで
内力・外力・重心が決定される。

これを多数の質点に拡張する。
N個の質点がある場合、j番目の質点の運動量をp_jとし、これに働く外力をF_jとする。
また、質点kが質点jに及ぼす内力をF_k_jとする。
すると質点1に対する運動方程式は

dp_1/dt = F_1 + F_2_1 + F_3_1……

つまり

dp_1/dt = F_1 + Σ[k=2:N]{F_k_1}

である。
一般化して質点jに対しては、

dp_j/dt = F_j + Σ[k≠j]{F_k_j}

となる。

また、F_k_j = -F_j_kなので

ΣΣ{k≠j}F_k_j = 0

である。さらにF_j_j = 0なので結局

Σ[k=1:N]Σ{j=1:N}F_k_j = 0

になる。

ここで質点系の全運動量を

P = Σ[j=1:N]{P_j}

とすると線形性より

dP/dt = Σ[j=1:N]{F_j}

つまりこれは「質点系の全運動量の時間変化は外力の和に等しい。外力がない場合、全運動量は保存される
となり、これは質点系に対する運動量保存の法則である。

質量中心(重心)

Nのこの質量にたいしj番目の質量をm_jとすると

r_g = Σ[j=1:N]{m_j*r_j} / Σ{j=1:N}{m_j}

によって与えられるベクトルr_gを質量中心、あるいは重心という。

M = Σ[j=1:N]{m_j}

は質点系の全質量である。また

P = Σ[j=1:N]{P_j} = Σ[j=1:N]{m_j*dr_j/dt}

これは質点系の全運動量である。
したがって、「質点系の全運動量は全質量と重心の速度に等しく、質点系の重心の加速度は外力の和を全質量で割ったものに等しい

つまり、質点系の重心は、その点に全質量が集まっていて、そこに全ての外力を合成した力が働いた場合と同じ動きをする。
そして内力は無関係であり、内力があってもなくても重心は同じ運動をする。

問題6-1-1

重心をx0で原点とすると重心の式は

Σ[j=1:N]{mj*(x_0+xj)}/Σ[j=1:N]{m_j} = x_0

この式が成り立つためにはxj=0でなければならない。


6-2 二体問題

月と地球を考える。重量比は1/80であるが無視できるほどではない。
一般にこのような2個の質点からなる運動を2体問題という。

いま、2個の質点が中心力を及ぼしながら運動するものとする。
これらの質点P,Qの位置をそれぞれr1,r2、質量をm1,m2とし、その間の距離を

r = |r2-r1|とし、このPとQを結ぶ直線に装置からの大きさをf(r)とする。

運動方程式はこれらにたいし

m1*d^2r_1/dt^2 = f(r)*r1-r2/r

m2*d^2r_2/dt^2 = f(r)*r2-r1/r

右辺のr1-r2/rなどは力の方向を与えるもの(方向余弦)である
この両式を加えると。右辺は作用反作用則により0になるため

d^2(m1r1+m2r2)/dt^2 = 0

となる。2つの質点の重心をr_gとすると

r_g = m1r1+m2r2/m1+m2

であるので

d^2r_g/dt^2 = 0

であることが導かれる。つまり、重心の加速度は0で、t=0における重心の位置をr_g0,速度をv0と於けば
重心は

r_g = r_g0 + v0*t

で表される等速運動をする。

次に2つの質量の相対的な運動を調べる。
相対座標

r = r2-r1

を考える。これはr1からr2へ向かう座標である。ここでr1,r2のそれぞれの運動方程式に-1/m1,1/m2を掛けて加えると

d^2(r2-r1)/dt^2 = (1/m1+1/m2)*f(r)*r/r~

を得る。ここで

μ = m1m2/(m1+m2)

とおくと先の式は

μ*d^2r/dt = f(r)*r/r~

となる。したがってPに対するQの運動は、Pが固定されていてQの質量がμになったと考えた時の運動に等しい。
μを換算質量という。PとQの役回りを逆にしても同じである。その場合、Qに対するPの運動はQが固定され、Pの質量がμになったものと考えた時と等しい。

m1とm2の比が大きい時は、

μ = m2/(1+m2/m1) ≒ m2

であるため、2体問題に置いて、m1とm2が非常に違う時は換算質量は小さい方にほとんど等しい。
例えば太陽を回る地球の運動を考えるときは、換算質量はほとんど地球の質量に等しい。
2体問題で2体の相互作用の他に外力がない場合、重心r_gは等速度運動を行う。
この場合

r_g = m1r1+m2r2/m1+m2



r = r2-r1

から

r1 = r_g - m2/(m1+m2) * r
r2 = r_g + m1/(m1+m2) * r

となる。

例題1

Pに対するQの運動方程式において

f(r)は万有引力式であり

f(r) = -Gm1m2/r~^2

μ = m1m2/m1+m2

であるため運動方程式

μ*d^2r/dt^2 = f(r)*r/r~ = m2*d^2r/dt = -G(m1+m2)*m2/r~^2 * r/r~

これはPの質量がm1+m2になったと仮定した時のQの運動方程式とみなすことが出来る。よって

T = 2π*sqrt(a^3/GM)

より

T = 2π*sqrt(a^3/G(m1+m2))

となる。

重心に対する運動

2体問題は重心に対する各質点の運動と見ることが出来る。
2個の質点PとQに対し、重心Gを原点にとって、Pの位置をr1,Qの位置をr2とすると

r1~ = |r1|
r2~ = |r2|

となる。重心の定義より、m1r1 = m2r2であるため、PとQのあいだの距離をr~をr1~で表せば、

r~ = r1~+r2~ = r1~ + m1/m2*r1 = (m1+m2)/m2 * r1~

また

r~ = |r1-r2|であり、原点を中心としてr2-r1とr1は同じ方向を向いているので

r1-r2/r~ = r1/r1~

これを運動方程式に代入すれば

m1*d^2r1/dt^2 = f((m1+m2)/m2*r1)*r1/r~1

m2*d^2r2/dt^2 = f((m1+m2)/m1*r2)*r2/r~2

となる。この時f(r)が万有引力ならば

f(r) = -Gm1m2/r^2

なので

f((m1+m2)/m1*r2) = -Gm1^3*m2/(m1+m2)^2

であり

m2*d^2r2/dt^2 = -Gm1^3*m2/(m1+m2)^2*r2/r~2

これは重心にM = m1^3/(m1+m2)の質量があるときのQに対する運動方程式である。
ここでPに対するQの軌道の長半径をaとし、重心に対するQの軌道の長半径をa2とすると
a2/a = r2/r = m1/(m1+m2)であり、Qの周期は

T = 2π*sqrt(a^3/GM)となる。

潮汐

海水の満ち干きは主に月の引力によって起こると考えられている。

月に対して最も近い部分Aは最も遠い部分Bについて比べると、月の引力が海水を引き寄せる力ははAの方が強い。
しかし、地球が重心の回りを回ると考えると、遠心力がBの邦画強くなるため、結局AでもBでも満ち潮になる。
A,Bのあいだの地点C、Dでは引き潮になる。
太陽も海水の干満に影響を与える。その大きさは月の約半分であり、月と太陽が同時に満潮を起こすときは大潮という
大きな満潮が生じる。海水だけではなく、地球の大気も干満に影響を与えることが知られている。


問題6-2-1

r1 = r2-r
r2 = r1+r

をそれぞれ代入すればいい

問題6-2-2

月と地球の質量比は1:80なので
80*m2 = m1
x1m1 = x2*1/80m1
x2 = R-x1

より

x1 = R/81

また地球の半径をR0とするとR=60R1

よって大体x1 = 3/4*R0

つまり地表から1/4ほど内部に入ったところに重心がある。

問題6-2-3

2つの質点の重心距離、質量をx1,m1,x2,m2とおく。いつもどおり。
m1x1 = m2x2,x1+x2=aより

f= mω^2rより、重心から質点1を考えると

f = m1*ω^2*x1 = m1m2a/(m1+m2)*ω^2

となる。これ本の解答はおかしい気がする。?


まとめ

6-1

いくつかの質点全体の運動と力の変化を考える。
質点系を定めることで、質点系内部相互の力である内力と質点系外部からの力である外力、それに質点系の中心たる質量中心が定まる。
この時
質点系の全運動量の時間的変化は外力の和に等しい
さらに
質点系の重心の加速度は、外力の和を全質量で割ったものに等しい
という法則がある。つまりこれは、質点系の重心の運動が、質点系全体を一つにまとめたものと同じであることを意味している。

6-2
月と地球のような2体が相互に力を与えながら運動することを考えた。これを2体問題という。
相対座標を用いて考えると、Pに対するQの運動が、Qをある換算質量μに置き換えた時のPが固定されている時の運動に等しいことがわかる。
また、重心を原点として考えると、PおよびQの運動は、重心にある質量の物体が存在するときの運動と考えることが出来る。

わからないところ
問題6-2-3
の模範解答おかしくね?ω^2はどこへいった
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