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力学その11

6-3 運動エネルギー

質点系の運動エネルギーを重心の運動エネルギーとその他の部分に分けることを考える。

j番目の質点の位置をr_jを重心r_gからr_j'の位置にあるとすると

r_j = r_g + r_j'

全重量M=Σ[j=1:N]m_jより

重心M*r_g = Σ[j=1:N]{m_j*r_j} = Σ[j=1:N]{m_j*(r_g+r_j')

    = Σ[j=1:N]m_j*r_g + Σ[j=1:N]m_j*r_j'

よって

Σ[j=1:N]m_j*r_j' = 0

これを微分しても0なので運動エネルギーに関して

K = 1/2*Σ[j=1:N]{m_j*(dr_j/dt)^2} = 1/2*Σ[j=1:N]{m_j*(dr_g/dt+dr_j'/dt)^2}

 = 1/2M(dr_g/dt)^2 + dr_g/dt * Σ[j=1:N]m_j*dr_j'/dt + 1/2Σ[j=1:N]m_j(dr_j/dt)^2

となる。第二項は先の零式より0となるので

K = K_g + K'となる。

ここで、K_gは重心に全質量が集まって運動するときの運動エネルギーであり、

K'は重心に相対的な運動エネルギーである。
したがって

全運動エネルギーは、重心の運動エネルギーと、重心に相対的な運動エネルギーの和に等しい

ことがわかる。


6-4 角運動量

質点系の角運動量について考える。
質点系の運動方程式は

dp_j/dt = F_j + Σ[k=1:N]F_k_j

である。角運動量はr×pであるので左からrをベクトル積として掛け、j全体を加えると

Σ[j=1:N]{r_j×dp_j/dt} = Σ[j=1:N]{r_j×F_j} + Σ[j=1:N]Σ[k=1:N]r_j×F_k_j

ここでΣ[j=1:N]Σ[k=1:N]r_j×F_k_jについて、

Σ[j=1:N]Σ[k=1:N]r_j×F_k_j = -Σ[j=1:N]Σ[k=1:N]r_k×F_k_j

よって

Σ[j=1:N]Σ[k=1:N]r_j×F_k_j-Σ[j=1:N]Σ[k=1:N]r_j×F_k_j*1/2 = Σ[j=1:N]Σ[k=1:N]r_j×F_k_j

つまり

1/2*Σ[j=1:N]Σ[k=1:N](r_j-r_k)×F_k_j = Σ[j=1:N]Σ[k=1:N]r_j×F_k_j

r_j-r_k×F_k_jは平行のため0である。よってr×pの第二項全体が0となるため



Σ[j=1:N]{r_j×dp_j/dt} = Σ[j=1:N]{r_j×F_j}

となる。

ここで全系の角運動量

L = Σ[j=1:N]{r_j×p_j}

を考える。これを微分すると

dL/dt = Σ[j=1:N]{dr_j/dt*×p_j} + Σ[j=1:N]{r_j×dp_j/dt}

ここでp_j = m*v_jであることを考えるとdr_j/dt = v_jよりこの二つは平行なのでベクトル積は0となる。
結局

dL/dt = Σ[j=1:N]{r_j×dp_j/dt}

であり、先の式

Σ[j=1:N]{r_j×dp_j/dt} = Σ[j=1:N]{r_j×F_j}

より

dL/dt = Σ[j=1:N]{r_j×F_j}


となる。ここでF_jは質点jにくわわる外力である。
ここで

N = Σ[j=1:N]{r_j×F_j}

を外力のモーメントという。
すなわち、

dL/dt = N

となり、結局
質点系の角運動量の時間変化は、外力のモーメントに等しい
となる。これは極めて重要な法則である。いつもどおり外力がなければ角運動量は保存される。角運動量保存の法則。


重心の周りの回転と重心の回転の分離

質点系の角運動量を原点に対する重心の運動による部分と、重心の周りの運動による部分に分けられるかどうか調べる。

重心をr_g、重心に対する質点の位置をr_j'とすると

r_j = r_g + r_j'

運動量p_jは

p_j = m_j(dr_g/dt+dr_j'/dt)

であるので、質点系の角運動量

L = Σ[j=1:N]{r_j×p_j}



L = Σ[j=1:N]{(r_g+r_j')×(dr_g/dt+dr_j'/dt)*m}
= Σ[j=1:N]{m_jr_g×dr_g/dt} + Σ[j=1:N]{m_jr_g×dr_j'/dt} + Σ[j=1:N]{m_jr_j'×dr_g/dt} + Σ[j=1:N]{m_jr_j'×dr_j'/dt}

ここで
m_j*r_j = 0
m_j*dr_j'/dt = 0

より2項と3項が消えるため(r_g,dr_g/dtはjに関わらないため)、結局

L = Σ[j=1:N]{m_jr_g×dr_g/dt} + Σ[j=1:N]{m_jr_j'×dr_j'/dt}

ここで、左辺

L_g = Σ[j=1:N]{m_jr_g×dr_g/dt} = r_g × Σ[j=1:N]{m_j*dr_g/dt}であり

これは全質量が重心に集中したと仮想したときに重心が原点の周りにもつ角運動量である。
また、

L' = r_j'×Σ[j=1:N]{m_j*dr_j'/dt}

は質点jの重心を原点とした運動量である。
これは重心の周りの角運動量であるため、これらを用いれば

L = L_g + L'

となる。すなわち
角運動量は重心の運動によるものと、重心の周りの運動によるものの和として与えられる。」
例を挙げるなら、太陽と地球をとると、全角運動量は、時点による角運動量L'と、公転による角運動量L_gの和である。
公転のない場合すなわち、
「質点系が不動の重心の周りで時点している場合は、任意の固定点Oの周りの角運動量Lは、重心の周りの角運動量L'に等しい」

他方で外力のモーメントに関しては

N = Σ[j=1:N]{r_j×F_j}

をr_gとr_j'について分解すると「

N = r_g×Σ[j=1:N]{F_j} + Σ[j=1:N]{r_j'×F_j}

となる。ここで左辺は、重心の位置ベクトルと、外力の総和のベクトル積であり、
これは外力がすべて重心に集まったと仮定した時の"原点の周り"の外力のモーメントである。
また、右辺は重心の周りの外力のモーメントである。
これらをそれぞれN_g,N'とおくと

N = N_g + N'

である。運動方程式は

dL/dt = dL_g/dt + dL'/dt = N_g + N'

となるので、

L_g = r_g×P

より

dL_g/dt = dr_g/dt×P + r_g×dP/dt = r_g×Σ[j=1:N]F_j

つまり
dL_g/dt = N_g
となる。

つまり、
角運動量に対する運動方程式は重心に関する式と、重心の周りの各運動量に対する式に分けることが出来る
したがって質点系の運動を明らかにするには、重心の運動をしり、次に重心の周りの回転運動を定めればよい。

問題6-4-2

単振り子の運動方程式を

dL/dt = N

より求める。質量m、振り子糸の長さl、角度θとすると

L = m×p = m*x*v_y - m*y*v_x
である。
x = lsinθ,y = lcosθ
v_x = dx/dt = l*dθ/dt*cosθ
v_y = dy/dt = -l*dθ/dt*sinθ

より

L = -m*l*sinθ*l*dθ/dt*somθ - m*l*cosθ*l*dθ/dt*cosθ

= -m*l^2*dθ/dt

となる。他方でNは

N = m×Fであるため

N = m*x*g_y - m*y*g_x

重力なので
g_yはg,g_xは0であるため

N = m*l*sinθ*g

よって

dL/dt = -ml^2*d^2θ/dt^2

dL/dt = Nより

-ml^2*d^2θ/dt^2 = l*m*g*sinθ

となる。


まとめ

6-3

質点系の運動エネルギーは、重心の運動エネルギーと重心に相対的な運動エネルギーの和に等しい
ことを示した。この後者は、重心を原点と見た時の運動エネルギーである。

6-4

重要な法則を3つ示した。
「質点系の角運動量の時間変化は、外力のモーメントに等しい」
「角運動量は、重心の運動によるものと、重心の周りの運動によるものの和である」
「角運動量に関する運動方程式は、重心に対する式と、重心の周りの角運動量に対する式に分けられる。」

いずれも、質点系の特性として、重心の運動と、重心に対する他の部分の運動に分けられるということである。


わからないところ

特になかったけれど、問題6-4-2は解き方がわからなかった。
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