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力学その12

7 剛体の簡単な運動

7-1 剛体の運動方程式

剛体の位置、配向、を決めるのにいくつの変数が必要か。
剛体のある一点は空間に固定した座標軸によりx,y,zの3個の座標で決まる。
この点を通って剛体に固定した1つの直線を考えると、その方向は極座標の2個の変数(θ,φ)で決まる。
最後に、この直線にそっての回転を考え、それを表す角ψを選ぶ。
こうして、剛体の位置と配向は6つの変数によって定められるため、剛体の位置と傾きが自由ならば
6個の変数によって剛体内の無数の質点の位置が決定される。
このことを剛体の自由度が6であるという。

そのため、剛体の運動は6個の運動方程式によって決められる。
また、剛体が多くの力を受けて静止している場合、すなわち
剛体の釣り合いの条件は、運動方程式で特に運動が0の場合として6個の方程式で与えられる。
つまり、それぞれの運動が0であるということである。

剛体の運動を定める6個の運動方程式として、重心の運動に対する運動方程式

m*d^2r_g/dt^2 = Σ[j]F_j

のx,y,z方向の三成分と、角運動量に関する運動方程式

dL/dt = Σ[j]{r_j×F_j} = N

のx,y,z方向の三成分の式が挙げられる。
もし外力のモーメントNが常に0ならば、角運動量Lは一定である。
これも剛体に対する角運動量保存の法則である。

剛体に力が作用する点を「着力点」という。
着力点を通り力のベクトルと一致する直線を力の作用線という。
力は、作用線上でずらしても力のモーメントやベクトルに変化はない。

剛体の二点に大きさが等しく、向きが反対の2力が作用するとき、これを偶力という。
偶力は合力としては0であるが、力のモーメントを持ち、剛体の回転を加速させる効果を持つ。

問題7-1-1

釣り合う2力を考えると、これは交点に対してモーメントが0である。
もうひとつの力に対してもモーメントが0なため、交点を通る。
同一平面内なので、ある2力の合成と完全に釣り合うようにならねばならないはず。

問題7-2-1

釣り合う力F1+F2+F3=0なので、これは閉じた三角形と同じである。

問題7-3-1
全略

7-2 固定軸を持つ剛体の運動

剛体が一直線の周りに自由に回転でき、かつこの回転以外運動できないとき
この直線を固定軸という。
つまり、この軸の周りの回転角のみが剛体に許されたパラメータである。
したがって自由度は1である。
このとき、6個の運動方程式の中からうまく1個の運動方程式を選ばなければならないが
この場合では、直感的に分かるように、固定軸周りの角運動量に対する式を使えばよい。

固定軸をzとし、剛体を構成する各質点m_jの、軸までの距離をr_jとする。
軸上に原点を持ち、空間に固定した円柱座標(r_j,ψ_j,z_j)を用いれば、
質点m_jの角速度はdψ_j/dtである。

しかし、剛体ならば角速度はどの質点でも共通である。
さらに、運動量m*vは,v=ωrより

p = m_j*r_j*ωであり、軸に関する角運動量はr_j*p = m_j*r_j^2*ωである。

したがって、全角運動量L_zは

L_z = Σ[j]m_j*r_j^2*ω

となる。ここでΣ[j]は全質点に関する和である。

ここで、剛体と固定軸によって定まる値

I = Σ[j]m_j*r_j^2

を固定軸の周りの剛体の「慣性モーメント」という。
これを用いれば、軸の周りの角運動量は

L_z = Iω

となる。
角運動量に対する運動方程式は

dL/dt = N

固定軸を持った剛体の運動方程式は

I*dω/dt = N

と書ける。また、剛体が標準の位置から回った角をψとすれば

ω = dψ/dtである。なので運動方程式は

I*d^2ψ/dt^2 = N

であり、まさに慣性モーメントと外力モーメントと角の運動方程式みたいになってる。

Iの式を見れば、慣性モーメントは質量に比例し、質量が固定軸より遠くに分布するほど大きい事がわかる。

例題1

物理振り子を考える。x軸に鉛直方向、y軸に軸に垂直な横方向をとると、
剛体の内部のある微小部分(質点)は、位置(x_j,y_j)で、そこには重力g(m_j*g,0)が働いていると考えられる。
この部分の軸に関するモーメントは

N = r×Fであり、x_j*0 - y_j*m_j*g = -y_j*m_j*g

である。したがって振り子の全質量をMとし、重心の位置をx_g,y_gとすると

N = -g*Σm_j*y_j = -gMy_g (M = Σ[j]m_j : y_g = Σ[j]m_j*y_j/Σ[j]m_j)より

となる。重心のy_gの位置は軸までの距離をhとすると、h*sinψで表現することが出来る。
ここで、ψは振り子とx軸の回転角である。

よって重力のモーメントは

N = -g*M*h*sinψ

となる。運動方程式に代入すると

I*d^2ψ/dt = -g*M*h*sinψ

なので単振り子と比べて

長さがl = I/Mhで与えられる単振り子と同じ運動をするということがわかる。

このlを、相等単振り子の長さという。振れ幅ψが小さいときは
周期Tは

T = 2π*sqrt(l/g) = 2π*sqrt(I/Mhg)

である。また、単振り子は質量が先端に集中した物理振り子と見ることが出来る。何の意味があるかはわからないが。

回転の運動エネルギー

固定軸の周りに角速度ωで回転している剛体の運動エネルギーを求める。

固定軸からr_jの位置にある質点の速さはr_j*ωであるので、その運動エネルギーは

1/2*m*(r_j*ω)^2である。したがって剛体全体の運動エネルギーは

1/2*Σ[j]{m_j*(r_j*ω)~2}

ωは定数なので

1/2*ω^2*Σ[j]{m_j*r_j^2}

となる。ここで、Σ[j]{m_j*r_j^2}は慣性モーメントであったので、
結局運動エネルギーは

1/2*ω^2*I

となる。

問題7-2-1

棒の長さあたりの質量をpとする。長さlのうちの微小単位の質量はp*drであり、

モーメントI = r^2*p*drとなる。魔法っぽい

これを長さl分だけ集めるので

I = int[0-l]{r^2*p}dr = 1/3*l^3*p

また、運動エネルギーKは

K = 1/2*ω*int[0-l]{r^2*p}dr

であるため結局

K = 1/2*I*ω

となる。

7-3 剛体の慣性モーメント(その1)

剛体に固定した一つの軸を考え、その周りの慣性モーメントの性質を少し詳しく調べる。

軸から剛体を構成する質点jまでの距離をr_jとすると、軸の周りの慣性モーメントIは、

I = Σ[j]m_j*r_j^2

となる。これは各点の質量に比例するから、全質量をMとすると

I = Mκ^2

κ^2 = Σ[j]m_j*r_j^2/Σ[j]m_j

と書くことが出来る。このκを回転半径という。これはすべての質量を同じ割合で変えても変化しない。
剛体の質量が連続的な分布をしているので点x,y,zに対する密度をρとするとき

M = intintint{ρ}dxdydz

となる。

剛体に固定した一つの軸の周りの慣性モーメントを考える。この軸をz軸とし、
これに平行で重心を通る軸をz'軸とする。
さらに、重心を通りx,y,z軸に平行なx',y'軸をおくと

I = Σ[j]m_j*(x_j^2+y_j^2)

I_g = Σ[j]m_j*(x'_j^2+y'_j^2)

また、重心の位置は

x_j = x_g + x'_j
y_j = y_g + y'_j

となるため、

Σ[j]m_j*x_j^2 = Σ[j]m_j*(x_g + x'_j)

= x_g^2*Σ[j]m_j + Σ[j]m_j*x_j^2 + x_g*Σ[j]m_j*x'_j

となる。ここで第三項は0なので

結局

Σ[j]m_j*x_j^2 = M*x_g^2 + Σ[j]m_j*x_j^2
Σ[j]m_j*y_j^2 = M*y_g^2 + Σ[j]m_j*y_j^2

となる。

ここで軸から重心までの距離hを導入し、

x_g^2+y_g^2 = h^2

とすると、

I = M(x_g^2+y_g^2) + Σ[j]m_j*(x'_j^2+y'_j^2) = Mh^2 + I_g

となる。したがって(いつもどおり)

重心を通る軸の周りの慣性モーメントI_gを知っていれば、ここからhだけ離れた平行な軸の周りの慣性モーメントは上式で与えられる。

このように、重心を通る軸の周りの慣性モーメントは、重要な意味を持っている。


慣性モーメントの具体例




円盤の中心を通り、円盤に垂直な軸の周りの慣性モーメント
円盤の半径をa,面密度をσとする。

rとr+drの間の質量はdr*2πrなので
全質量は

M = int[0-a]{σ*2πr*dr} = πσa^2

慣性モーメントは

I = int[0-a]{σ*2πr*dr*r^2} = 2πσ1/4a^4 = M/2*a^2




球の中心を通る軸の周りの慣性モーメント

球の半径をa,密度をρとすると

M = int[0-a]{4πr^2*ρ*dr} = 4/3πρa^3

慣性モーメントは

I = Σm_j*r_j^2より

I = intintint(x^2+y^2)*ρdxdydz

このとき球はx,y,zに対して対称なので
intintint{x^2*ρ}dxdydz = intintint{y^2*ρ}dxdydz = intintint{z^2*ρ}dxdydz

ここでr = x^2 + y^2 + z^2とともに

intintint(x^2+y^2)*ρdxdydz = 2/3*intintint{(x^2+y^2+z^2)*ρ}dxdydz

さらに、球の体積
dxdydz = r^2*sinθdrdθdψ

より

int[0-2π]dψint[0-π]dθint[0-a]dr{(r^2)*ρ*r^2*sinθ}

となり、角度部分をそのまま積分すると

2/3*int[0-a]*dr*r^2*ρ*r*2π*2*

= 2/3*int[0-a]*4*π*r^4*ρ*dr


となる。これを解くと

I = 8/15*π*ρ*a^5

M = 4/3πρa^3を用いて

I = 2/5*M*a^2

となる。


薄い球殻

先の球の完成モーメントに対し、半径が微小daだけ増えたときのモーメントの増分が球殻のモーメントである。
つまり

球の慣性モーメント

I = 8/15*π*ρ*a^5の微小増分

dI/da = 8/3*π*ρ*a^4

より、
dI = 8/3*π*ρ*a^4*da

dM/da = 4πρa^2*

より

dI = 2/3*a^2*M

となる。

例題1

何を言ってるのかよくわからないが、書き留めることでいつか理解できるように布石とする。

円盤上を質量mの昆虫が直径aの円状に歩いた原点まで戻ってきた。この間に円盤が回転した角度を求める。

円盤の中心をOとし、昆虫をPとする。昆虫が歩く円の直径をOAとし、OAに垂直な線OBとOPのなす角をθとする。

昆虫の移動によってθがdθ分だけ増えたとき、円盤が逆方向に回る角度をdaとする。
そのとき、外からみてOPの回った角はdθ-daである。  ここがマジで難しい。?
OP = a*sinθであるため、Oの周りの昆虫の角運動量は

L = m*(a*sinθ)^2*dθ-da/dt

  質量*距離*角速度

また、Oの周りの慣性モーメントをIとすると、円盤は昆虫とは逆に回るので
円盤の角運動量は

L' = I*da/dt

はじめ円盤の運動量はなかったので、角運動量保存の法則より ここも。外力がないってことでいいのかな?

L+L'=0

つまり

m*(a*sinθ)^2*dθ-da/dt + I*da/dt = 0

daについて解けば

da = m*a^2*sin^2θ/I+m*a^2*sin^2θ*dθ

先ほど求めた円盤の慣性モーメント
I = M/2*a^2を用いて式を書き直し、

昆虫がが一週動いたときの円盤の動いた角をaとすると


a = int[0-π]{m*sin^2θ/M+m*sin^2θ}dθ

これを本気出して解くと

a = π*(1-sqrt(M/M+2m))

となる。計算長すぎ。


まとめ

7-1
剛体の位置、配向は、一般的に6個の変数できまる。つまり、6個の運動方程式で定まるということである。
剛体に力が作用する点を着力点といい、この点とベクトルと一致する直線を作用線という。作用する力は、この作用線上で動かしても
モーメントやベクトル和に変化はない。

7-2
軸を固定した剛体は、1つの変数による運動しか許されなくなる。これを固定軸という。固定軸周りの剛体の回転は、一つの運動方程式で表される。
またこの時、

I = Σ[j]m_j*r_j^2で定義される値を、固定軸の周りの慣性モーメントという。これは剛体の回転しやすさ、つまり回転に対する慣性の大きさを表している。



7-3

固定軸の慣性モーメントは、固定軸と平行で重心を通る軸の周りの慣性モーメントによって簡単に表すことができる。

I = I_g + Mh^2

である。この時、hは固定軸から重心までの距離である。

剛体の慣性モーメントについて少し詳しく調べた。
円・球・球殻の各慣性モーメントを実際に求めた。

というか未だ途中。この節大丈夫だろうか。

わからないところ

7-3の例題がやばい。かつてないわからなさ。先生助けて


感想。

7章に入ってから突然難しくなった。すごく分かりにくいので少し時間をかけたいけどなかなか時間がない。
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