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力学その15

8-3 座標変換



互いにある角度で交わる2つの座標軸のあいだの変換を明らかにする。

2次元の座標変換



平面内で2つの座標軸OとO'が角度ψで交わっているとする。
x'軸の単位ベクトルをi'とすると、そのx成分はcosψであり、y成分はsinψである。
位置ベクトルrをOでx,y、O'でx',y'であるとする。
すると、x'はxをi方向に正射影したものである。
i'は単位ベクトルであるから、x'はrとiのスカラー積であると考えることも出来る。
すなわち

x' = r・i = x*cosψ + y*sinψ

同様にyについては、j'のx成分、y成分は-sinψ、cosψであるから、

y' = r・j = -x*sinψ + y*cosψ

となる。
この変換は行列の形に直すことができる。
つまり

x' = A*x

とすれば行列Aは

| cosψ,sinψ|
|-sinψ,cosψ|


となる

上の変換は位置ベクトルのみについて考えたが、これはベクトルの変化なので、速度、力その他あらゆるベクトルに適用できる。

行列についての説明はスキップ

3次元の座標変換



原点を共有する2つの三次元座標軸OとO'の間の変換を考える

x,y,z方向の単位ベクトルをi,j,k
x',y',z'方向の単位ベクトルをi',j',k'

とおく。
直交基底ベクトルの変換を

i = a_1_1*i' + a_2_1*j' + a_3_1*k'
j = a_1_2*i' + a_2_2*j' + a_3_2*k'
k = a_1_3*i' + a_2_3*j' + a_3_3*k'

とあする。それぞれにi',j',k'を掛けると

i・i' = a_1_1
i・j' = a_1_2

などの、それぞれの単位ベクトルのあいだの内積、つまり方向余弦が得られる。

これを用いると、位置ベクトルrについて

r = xi + yi + zi
であり、i',j',k'を用いると

r = (a11*x+a12*y+a13*z)*i'
+ (a21*x+a22*y+a23*z)*j'
+ (a31*x+a32*y+a33*z)*k'

= x'*i + y'*j' + z'*k'

となる。それぞれの係数を比較すれば

x' = a11*x + a12*y + a13*z

などが得られるのでこれを行列の形にすれば

|x'| = |a11,a12,a13|*|x|
|y'| = |a21,a22,a23|*|y|
|z'| = |a31,a32,a33|*|z|

と書ける。このことは任意のベクトルuについて言えることである。

変換行列Aは9個の要素を持つが、これらすべてが独立であるわけではない。
i,j,kはそれぞれ直行しており、i',j',k'もまた直行しているため

i・i = a11^2 + a21^2 + a31^2 = 1
j・j = a12^2 + a22^2 + a32^2 = 1
k・k = a13^2 + a23^2 + a33^2 = 1
i・j = a11*a12 + a21*a22 + a31*a32 = 0
j・k = a12*a13 + a22*a23 + a32*a33 = 0
k・i = a11*a13 + a21*a23 + a31*a33 = 0

という全部で6種類の制約が存在しているため、独立な係数は3種類である。?何言ってるのかわからない。
例えば、x'軸の方向を極座標(θ,ψ)で表せば2個の係数が必要であり、これを決めたときにx'軸に垂直な面内でy'軸を決める角度を含め、
3個の係数によってO'座標軸は定まるのである。

逆変換



i・i' = a_1_1
i・j' = a_1_2

先に得られた上のような係数群は、例えばベクトルi'のi,j,k成分がそれぞれa11,a12,a13であることを表していると見ることが出来る。
ここから逆変換

i' = a11*i + a12*j + a13*k
j' = a21*i + a22*j + a23*k
k' = a31*i + a32*j + a33*k

を導くことが出来る。これはつまり変換行列Aの転置A_tである。
したがって行列計算による変換は

u = A*u'
u' = A_t * u

という関係を持つ。

変換行列のあいだの関係式



係数群同士の関係式にから、変換行列の成分の間には

Σ[j=1:3]{ajk*ajl} = δkl = {1(k=l) or 0(k≠l)}
Σ[j=1:3]{akj*alj} = δkl = {1(k=l) or 0(k≠l)}

という関係に帰着する。
これらの関係式の総数は12個である。しかし、座標系の回転は3個の変数で変数で規定されるので
9個の変数のあいだの独立な関係式は6つであり、それらの関係式は基の関係式から導かれるはずである。

Σ[j=1:3]{ajk*ajl} = δkl = {1(k=l) or 0(k≠l)}

から導かれる式は独立であるため、ここから

Σ[j=1:3]{akj*alj} = δkl = {1(k=l) or 0(k≠l)}

を導くことを考える。

行列の形にまとめて

(A)_j_l= a_j_l
(A_t)_k_j = a_j_k

とする。行列の積A_t*Aの要素は

(A_t*A)kl = Σ[f]{a_j_k*a_j_l}

と書く事ができる。

単位行列を1と表現すれば、

Σ[j=1:3]{ajk*ajl} = δkl = {1(k=l) or 0(k≠l)}

の関係式はまとめて

A_t*A = 1

と書ける。

行列の定理で、行列式の積はは基の行列の積の行列式と等しいので

行列式|A|と|A_t|が等しいことに注意すれば

|A|^2 = 1

という式が出来、

|A| = ±1

という式を得る。
また、行列式が0でないならば、ただ一つの逆行列をもつため、

AX = XA =1
A_t*A = 1

より、A_t = A_-1となる。つまりここから
A*A_t = 1となるため、二つめの関係式群

Σ[j=1:3]{akj*alj} = δkl = {1(k=l) or 0(k≠l)}

が導かれるのである。

なおi',j',k'がつくる正方体の体積はスカラー三重積によって与えられるが、これを基本ベクトルで書くと

(i',j',k') = |A|

である。ここでi',j',k'は右手座標系をなし、単位体積の正方体をつくるため、

(i',j',k') = |A| = 1

とならなければならない。


オイラーの角



方向余弦の表に表したように、2次元の座標変換は一つの角を用いて表すことができた。
これに対して、3次元の2つの座標軸の間の関係を具体的に表すには、3つの角が必要である。
これらの角としては、オイラーの角(φ,θ,ψ)が便利である。オイラーの角は、空間における剛体の配向(傾き)を表すのに用いられる。

まず、座標系Oから座標系O~に移り、さらに座標系O'へ移り、最終的に座標系O2へ移ることを考える。


まず第一段階ではz軸の周りにψだけ回転することを考える。これはz軸は動かずに、x,yの二次元の回転となるので
変換行列A~は

A~ = | cosψ,sinψ,0|
|-sinψ,cosψ,0|
| 0, 0,1|

となる。二次元の座標変換の行列に、z軸が回転しないことを表す行と列が加わったものである。

次に、z軸とx~軸を含む面内からy~軸を中心に角θだけ回転することを考える。これもまたy~軸は変化しないため

A~' = | cosθ, 0,-sinθ|
| 0, 1, 0|
|-sinθ, 0, cosθ|

となる。

第三段階では、z'軸の周りにφ分回転させるので、

A' = | cosφ,sinφ,0|
|-sinφ,cosφ,0|
| 0, 0,1|

となる。したがってこれらを総合させる変化は

r2 = A'*A~'*A~*r

となるため

r2 = A*r

を満たすAは

A = A'*A~'*A~であり計算すると

A = | cosθcosψcosφ-sinψsinφ, cosθsinψcosφ+cosψcosφ,-sinθcosφ|
|-cosθcosψsinφ-sinψcosφ,-cosθsinψsinφ+cosψcosφ, sinθsinφ|
| sinθcosφ, sinθsinφ, cosθ|

となる。長い。

ベクトル積の変換



ベクトル積a×bはこれを構成するベクトルa,bと同様に変換される。
計算するとそのとおりになる。つまり

(a×b)_x' = (a×b)_x*cosφ + (a×b)_y*sinφ

といった具合である。
ただし、座標軸の反転に対して、ベクトルa,bの各成分は反転するが、ベクトル積a×bは明らかに反転しない。
この点で区別するとき、ベクトルa,bのような、座標軸の反転に対して各成分の符号が変わるベクトルを極性ベクトルといい、
ベクトル積のような変換をするものを軸ベクトル、あるいは擬ベクトルという。力のモーメントや、角運動量は極性ベクトルの式なので軸ベクトルである。

問題8-3-1


A~' = | cosθ, 0,-sinθ|
| 0, 1, 0|
| sinθ, 0, cosθ|

A~ = | cosψ,sinψ,0|
|-sinψ,cosψ,0|
| 0, 0,1|

よって

A~'*A~ = |cosθcosφ,cosθsinφ,-sinθ|
| -sinφ, cosφ, 0|
|sinθcosφ,sinθsinφ, cosθ|

まとめ

8-3
座標を変換するための式について調べ、それは行列の積で表すとコンパクトになることを調べた。
また、座標の変換の変換行列は転置することで対称性を持つ。つまり
変換行列Aについて

X' = AXとなるならば
X = A_tX'である。

2次元ならば、座標変換はひとつの角で表すことが出来、変換行列は

A = | cosψ,sinψ|
|-sinψ,cosψ|

である。しかし、三次元の場合は3つの角が必要となる。オイラーの角(θ,φ,ψ)を用いれば
幾通りかの変換パスを経て最終的には

A = | cosθcosψcosφ-sinψsinφ, cosθsinψcosφ+cosψcosφ,-sinθcosφ|
|-cosθcosψsinφ-sinψcosφ,-cosθsinψsinφ+cosψcosφ, sinθsinφ|
| sinθcosφ, sinθsinφ, cosθ|

という変換行列が導かれる。

またベクトル積についても、ベクトル積の結果を一つのベクトルとしてみれば、同じように変換することが出来る。当たり前。


わからないところ

変換行列内の各成分の独立性について、何故9個の成分とあの6個の式で3つの独立変数というのがでてきたのか?
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