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力学その16

8-4 回転座標系



慣性系Sに対して、回転する座標系S'を考える。
2次元の運動から考えれば、慣性系Sに対する運動方程式は、はるか前の章でやったように

m*d^2x/dt^2 = F_x
m*d^2y/dt^2 = F_y

である。
今、S'はSと原点を等しくし、一定の角速度ωで回転しているとする。
t=0でこれらの座標系が一致しているとすると、質点の座標は

座標変換の式を用いて、

x =x'*cosωt - y'*sinωt
y = x'*sinωt + y'*cosωt

となる。

運動方程式をx',y'の式で表すために上記を二回微分すると

d^2x/dt = (d^2x'/dt - 2*ω*dy'/dt - ω^2*x')*cosωt - (d^2y'/dt + 2*ω*dx'/dt - ω^2*y')*sinωt
d^2y/dt = (d^2x'/dt - 2*ω*dy'/dt - ω^2*x')*sinωt + (d^2y'/dt + 2*ω*dx'/dt - ω^2*y')*cosωt

となる。

他方で、力Fの成分はS系では(F_x,F_y)であるが、S'系では(F_x',F_y')であり、
これらの間には

F_x' = F_x*cosψ_0 + F_y*sinψ_0
F_y' = -F_x*sinψ_0 + F_y*cosψ_0

ここで、ψ_0はx軸とx'軸の間の角であり、この変換式は力に限らずあらゆるベクトルで成り立つ。

さらに今の場合は、ψ_0 = ωtである。

これらの式を用いてF_x'とF_y'をx',y'の運動方程式で表すと

m*d^2x/dt^2 - 2*m*ω*dy'/dt - m*ω^2*x' = F_x'
m*d^2y/dt^2 - 2*m*ω*dx'/dt - m*ω^2*y' = F_y'

という2式が得られる。これを書き直すと、

m*d^2x/dt^2 = F_x' + 2*m*ω*dy'/dt + m*ω^2*x'
m*d^2y/dt^2 = F_y' + 2*m*ω*dx'/dt + m*ω^2*y'

となる。これは、座標系S'が慣性系ではないため、回転による見かけの力が二種類発生していることを表す。
質点が回転している座標に対して静止している場合、つまりdx'/dt = dy'/dt = 0のときは、慣性系に対しては円運動をしていることになる。
この場合円運動を保たせる向心力F_x = -m*ω^2*x'などが必要となるため、右辺第三項はこれと釣り合うとみなせる。この第三項はm*ω^2*rと書く事ができ
これは遠心力の式である。

右辺第二項は座標系S'が角速度ωで回転し、質点はこの座標系で速度v'を持っている時に生じる慣性力で、コリオリの力と呼ばれている。
質点が原点を通過しつつあるとき、遠心力は0であるが、コリオリの力ははたらく。慣性系で見ると直進運動でも、回転している座標軸から見ると、回転と逆の方に
ずれていく。この運動が見かけの力によるものと考えた時の力がコリオリの力である。

コリオリの力のをF(C)と書けばその成分は

F(C)_x = 2*ω*m*v_y'
F(C)_y = 2*ω*m*v_x'

ここで、v_x',x_y'はS'系で見た速度v'の成分である。この式にv_x'v_y'をかけて足すと

F(C)_x*v_x' + F(C)_y*v_y' = 0

となる。すなわちF(C)*v=0であるから、コリオリの力はS'系で見た速度v'に垂直な方向に働く。

簡単に考えるために、平面内で回転する座標系の原点を通り、慣性系に対し直進する質点を考える。
微小時間tの間に、xに対してx = vtだけ進む。これは変化しないが、yに対しては最終的に角θ = ωtだけそれるため、結果的にy = -xωtとなる。
つまり

y = -xωt = -vωt^2

となるような変化をするため、2回微分すると

m*d^2y/dy = -2mωv

右辺がこの時働いている力で、コリオリの力である。

z方向に長さωのベクトルω`を考えると、その成分はω`_x = ω`_y = 0,ω`_z = ωであり、
コリオリの力は

F(C) = -2*m*ω`×v'

と書ける。
右辺はベクトル式なので、座標系の取り方によらない。また、ω`は時間的に変化してもよく、その場合はω`は慣性系に対する
座標間の瞬間的な回転速度を表すベクトルとなる。

問題8-4-1

赤道の遠心力の加速度を求める。
遠心力は

m*ω^2*r

なので加速度は

ω^2 * r

ω = 2π/24*60*60(m/s)
r = 6400*10^3 (m)

ω^2*r = 0.034 m/s^2


8-5 角速度ベクトル



慣性系に対して回転している座標系を考え、この座標系にくっついて一緒に動いている質点の位置をrとすると

r = x'i' + y'j' + z'k'

となる。くっついてるのでx',y',x'は変化しないため

dr/dt = x'*di'/dt + y'*dj'/dy + z'*dk'/dt

となる。ここでdi'/dtなどを成分に分けて

di'/dt = ω11*i' + ω12*j' + ω13*k'
dj'/dt = ω21*i' + ω22*j' + ω23*k'
dk'/dt = ω31*i' + ω32*j' + ω33*k'

と書いてみる。係数ωxxが時間的に変化する場いいも含めて考える。
i・i=1,i・j = 0などを微分すれば

d(i・i)/dt = i・di/dt + i・di/dt = 0
d(i・j)/dt = di/dt・j + i・dj/dt = 0

などが分かるため、

ω11 = ω22 = ω33 = 0
ω12 + ω21 = 0
ω23 + ω32 = 0
ω31 + ω13 = 0

の関係を導ける。故に独立な物は三個で

ω1 = ω23 = -ω32
ω2 = ω13 = -ω31
ω3 = ω12 = -ω21

とすると、

di'/dt = ω3*j' - ω2*k'
dj'/dt = -ω3*i' + ω1*k'
di'/dt = ω2*i' - ω1*j'

とまとめて書き直せる。これらを

dr/dt = x'*di'/dt + y'*dj'/dy + z'*dk'/dt

の式に放り込んでまとめると

dr/dt = (ω2*z'-ω3*y')*i' + (ω3*x'-ω1*z')*j' + (ω1*y'-ω2*x')*k'

となるので、ベクトルω`を(ω1,ω2,ω3)として、それぞれi',j',k'方向の成分とすると

dr/dt = ω`×r`

と書く事ができる。

これにおいて、回転座標系に固定した点Pの運動を考えるため、ω`に垂直でPを含む面をω`が切る点をO'とする。
O'を中心にPを通る円を描き、この円が角速度ωで回転しているとするとこの時点Pの速度は

v = ω*r*sinθ

の速さでまわり、しかもその方向はωとrに垂直である。
これは

dr/dt = ω`×r`

によって表される。したがって座標系は角速度ωで回転していると言える。
今回はベクトル積ω`×r`は回転座標系に対するω`とr`の成分で表したが、
ベクトル積は一般に座標の取り方に影響されないので、静止座標系で書いてもいい。

x':y':z' = ω1:ω2:ω3

を満たすようなx',y',z'、すなわち原点を通りω`の方向にある直線上の点は動かない。
この直線を瞬間の回転軸といい、ベクトルω`を角速度ベクトル、あるいは回転ベクトルという。

質点が座標系i',j',k'に対して速度を持つ場合、この速度はまとめて

d*r/dt = dx'/dt*i' + dy'/dt*j' + dz'/dt*k'

と書く事ができる。ここで、d*/dtは、基底ベクトルを微分しないという意味である。
加速度も同様に

d^2*r/dt^2 = d^2x'/dt^2*i' + d^2y'/dt^2*j' + d^2z'/dt^2*k'

となる。ここで静止座標系から見た運動の式として

dr/dt = dx'/dt*i' + x*di'/dt + dy'/dt*j' + y*dj'/dt + dz'/dt*k' + z*dk'/dt = d*r/dt + ω`×r`

となるため、回転座標に関する速度に静止座標系に対する回転ω`×r`を足したものとなる。

上の式は位置ベクトルr`に限らず、任意のベクトルに対して成り立つ。
つまり

静止座標系に関するAの変化は

dA/dt = d*A/dt + ω`×A

となる。
ここで、dA/dtをベクトル関数Aの絶対導関数、d*A/dtを回転座標系に対する相対導関数という。
また

dA/dt = d*A/dt + ω`×A

を、回転座標系の公式と呼ぶ。


まとめ

8-4
回転する座標系にたいして、回転上の運動に見かけの力遠心力とコリオリの力を加えることで
慣性系から見た時の運動方程式が成り立つことを学んだ。

m*d^2x/dt^2 = F_x' + 2*m*ω*dy'/dt + m*ω^2*x'
m*d^2y/dt^2 = F_y' + 2*m*ω*dx'/dt + m*ω^2*y'

式の右辺第二項がコリオリの力であり、第三項が遠心力である。


8-5

回転する座標系に対し、角速度ベクトルを導入することで、慣性系から見たときの速度の式が表せることを学んだ。
式は

dA/dt = d*A/dt + ω`×A

であり、これを回転座標系の公式という。
また、あるベクトルAに対する絶対導関数と別に、基底ベクトルを微分せずに成分のみを微分する相対導関数を導入した。
これはd*/dtで表され、基底ベクトルの位置変化を考慮しない、つまり基底ベクトルから見た変化量を示す関数である。

わからないところ

今日はないかな。結構必死だったけど、落ち着いたらなんとかなった。
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