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制御工学その9

3.3.2 2次遅れ系

2次遅れ系とは、

Y(s) = P(s)U(s)
P(s) = Kω_n/(s^2 + 2ξω_n*s + ω_n^2)

で標準形として表されるものである。
ここで、この2次遅れ系の過渡特性を説明する。

2次遅れ系の減衰性は、減衰係数ξに、即応性は固有角周波数ω_nによって決まる。

2次遅れ要素P(s)について考えれば、極は分母の根なので

s = -(ξ±sqrt(ξ^2 - 1))*ω_n

で表すことができる。
ここで、この曲はξの値によって3つに分けることが出来る。

つまり、

|ξ|>1で実数の二つの解
|ξ|=1で重複する一つの実数
|ξ|<1で二つの複素数

である。

(1) |ξ| < 1 の場合

P(s)の極を

p1 = -(ξ+sqrt(1-ξ^2)*i)*ω_n
p2 = -(ξ-sqrt(1-ξ^2)*i)*ω_n

とする。ステップ応答は

P(s)U(s) = Kω_n/(s^2 + 2ξω_n*s + ω_n^2) * 1/s

なので

Y(s) = K(1/s + 1/(p1-p2)*(p2/(s-p1) - p1/(s-p2)))

となる。これを逆ラプラス変換すると

ひたすら展開して

y(t) = K(1 - e^(-ξω_n*t)/sqrt(1-ξ^2) * (ξ*sin(ω_d*t) + sqrt(1-ξ^2)*cos(ω_d*t))

= K(1 - e^(-ξω_n*t)/sqrt(1-ξ^2) * sin(ω_d*t + φ) : φ = tan_-1(sqrt(1-ξ^2)/ξ)


となる。ここでξは -1 < ξ < 1なので

0<ξ<1の時

y_∞ = Kに収束し、

-1<ξ<0

のとき発散する。

また、

ξ=0のとき

y(t) = K(1 - cos(ω_d*t))

となるので、これは収束も発散もしない振動となる。

(2) |ξ| = 1の場合

ξ=±1ならば
ステップ応答は

Y(s) = Kω_n/(s^2 + 2ξω_n*s + ω_n^2) * 1/s

= K(1/s - ξ*ω_n/(s+ξω_n)^2 - 1/(s+ξω_n))

逆ラプラス変換すると

y(t) = K(1 - e^(-ξω_n*t)*(ξω_n*t+1))

なのでξ=1の時は

y_∞ = Kに収束し、

ξ = -1 の時は振動せず発散する。

(3) |ξ| > 1の場合

P(s)の二つの極を

p1 = -(ξ+sqrt(ξ^2 - 1))*ω_n
p2 = -(ξ-sqrt(ξ^2 - 1))*ω_n

とするとステップ応答は

Y(s) = K(1/s + 1/(p1-p2)*(p2/(s-p1) - p1/(s-p2)))

逆ラプラス変換すると

y(t) = K(1 - e^(-ξω_n*t)/β*((ξ+β)*e^βω_n*t - (ξ-β)*e^-βω_n*T)))

となる。

0<β<|ξ|

なので

ξ>1の時

y_∞ = Kに収束し、

ξ<-1の時
振動せずに指数関数的に発散する。

次に行き過ぎ時間について考える。

行き過ぎ時間T_pはピーク値が存在するときのみ存在するので
0<ξ<1の時のみ存在する。

この時のステップ応答は

y(t) = K(1 - e^(-ξω_n*t)/sqrt(1-ξ^2) * (ξ*sin(ω_d*t) + sqrt(1-ξ^2)*cos(ω_d*t))

なのでこれを微分すると

y'(t) = Kω_n/sqrt(1-ξ^2)*e^-ξω_n*t * sin(ω_d*t)

となり、これが初めて0になる、つまりω_d*t=πのときに、行き過ぎ時間となる。
その時のtは

t = π/ω_d = π/(ω_n*sqrt(1-ξ^2)

である。

つぎにオーバーシュートについて考える。
ピーク値になるtの時、y(t)のピーク値は

y_max = K(1 + e^(-ξω_n*t)) : t=π/ω_d

であり、定常値はy_∞ = Kなので

A_max = y_max - y_∞ = K*e^(-ξω_n*π/ω_d) = K*e^(-πξ/sqrt(1-ξ^2))

となる。

次に減衰率λについて考える

y'(t)とy(t)より、最初のπから2*i回目のπがi回目のピーク値である。

つまり

ω_d*t_i = (2i - 1)π

を満たすt_iにおけるy(t_i)である。

したがって

y_i = y(t_i) = K(1 + e^-ξω_n*t_i)

ここからi番目の行き過ぎ量

A_i = y_i - y_∞ = K*e^-ξω_n*t_i

が定まるので
減衰率λは、

λ = A_i+1/A_i = e^-ξω_n*((2i+1)π/ω_d) / e^-ξω_n*((2i-1)π/ω_d)

= e^(2πξ/sqrt(1-ξ^2))

となり、一定値であることがわかる。

以上のことから、2次遅れ系の過渡特性についてまとめる。

(1)減衰係数ξについて

安定度に関するパラメータであり、以下の特徴を持つ

ξ < 0の時発散する(システムが不安定になる)
ξ = 0のとき、発散も減衰もしない持続振動となる
0 < ξ < 1のとき、オーバーシュートA_maxと減衰率λがξのみに依存した、

A_max = K*e^(-ξω_n*π/ω_d) = K*e^(-πξ/sqrt(1-ξ^2))
λ = = e^(2πξ/sqrt(1-ξ^2))

となり、振動しながら指数関数的に定常値

y_∞ = K

に収束する(不足制動)。
また、ξが0に近いほど早く定常値y_∞ = Kに収束する。

ξ = 1の時、オーバーシュートが生じないギリギリの応答となる(臨界制動)
ξ > 1の時、オーバーシュートが全く生じない(過制動)


(2)固有角周波数ω_nについて

即応性に関するパラメータであり、ω_n>0が大きいほど即応性が良い。
また、応答が振動するときの行き過ぎ時間T_pは

T_p = π/(ω_n*sqrt(1-ξ^2))

なので、ω_nが大きいほど行き過ぎ時間T_pは小さくなる。


問題3.9

Y(s) = C/CLs^2+RCs+1

標準形に直すと

ξ = R*sqrt(CL)/2L
ω_n = 1/sqrt(CL)
K = C

となるので
オーバーシュートを生じないξ ≧ 1の時のRは

R ≧ 2*sqrt(L/C)

となる

問題3.10

Y(s) = 1/Ms^2+(c1+c2)s+k

標準形に治すと

ξ = c/(2*sqrt(km))
ω_n = sqrt(k/M)
K = M/k

となる。y_max = 0.04から

K = 0.04
ω_d = π/T_pより
ω_d = 6.28

K*e^-ξω_n*T_p = 0.01

より

ξω_n = 2.77

あとはわからない。

まとめ

P(s) = Kω_n/(s^2 + 2ξω_n*s + ω_n^2)

上の式で表される2次遅れ系の過渡特性を調査した。
過渡係数ξによっていくつかの場合に分かれまとめると

ξ < 0の時発散する(システムが不安定になる)
ξ = 0のとき、発散も減衰もしない持続振動となる
0 < ξ < 1のとき、オーバーシュートA_maxと減衰率λがξのみに依存した、

A_max = K*e^(-ξω_n*π/ω_d) = K*e^(-πξ/sqrt(1-ξ^2))
λ = = e^(2πξ/sqrt(1-ξ^2))

となり、振動しながら指数関数的に定常値

y_∞ = K

に収束する(不足制動)。
また、ξが0に近いほど早く定常値y_∞ = Kに収束する。

ξ = 1の時、オーバーシュートが生じないギリギリの応答となる(臨界制動)
ξ > 1の時、オーバーシュートが全く生じない(過制動)

となる。また、固有角周波数ω_nについて、

即応性に関するパラメータであり、ω_n>0が大きいほど即応性が良い。
また、応答が振動するときの行き過ぎ時間T_pは

T_p = π/(ω_n*sqrt(1-ξ^2))

なので、ω_nが大きいほど行き過ぎ時間T_pは小さくなる。

わからないところ

問題3.10の(3)について、ω_nの導出式がどこからでてきたのかわからない。
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