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制御工学その15

4.2.3 ラウスの安定判別法

前節で説明したフルビッツの安定判別法の代わりに、ラウスの安定判別法を使う事もできる。
これはフルビッツと同様2つの条件からなり、

条件1.特性方程式の全ての係数が正

条件2.ラウス数列の要素が全て正

である。
ここで、ラウス数列とは
ラウス表



| s^n| a_n,a_n-2...
|s^n-1|a_n-2,a_n-4...
|s^n-2| b1, b2...
|s^n-3| c1, c2...

ここで

b1 = (a_n-1*a_n-2)-(a_n*a_n-3)/a_n-1
c1 = (b1*a_n-3)-(a_n-1*b2)/b1

という表を作った時の第1列である。
つまり、n=3、特性方程式が3次のときラウス数列は

a_n,a_n-2,b1,c1

となる。
例4.3をラウスの安定判別法により解いてみる。

C(s) = (kp*s+ki)/s

P(s) = 1/Js^2+cs+Mlg

なので特性方程式は

Δ = Js^3 + cs^2 + (kp+Mlg)s + ki

条件1、係数が全て正でなければならないので

kp > -Mlg
ki > 0

条件2

ラウス数列は

a_3,a_1,b1,c1

a_3 = J
a_1 = kp+Mlg
b1 = a_2*a_1-a_3*a_0/a_2 = (kp+Mlg)c-Jki/c
c1 = a0

これらが全て正であればいいので

kp+Mlg > ki*J/c

ここから

kp > -Mlg
0 < ki
という範囲が得られる。

問題4.4

4.3をラウスの安定判別法で解く。

P(s) = 5/(s^2+2s+2)

という二次遅れ系の安定性を考える

(1) C(s) = kpとした時の安定となるkpの範囲を求める。

特性方程式は

s^2+2s+2 + 5kp = s^2 + 2s + (2+5*kp)

ラウス法から

条件1より

5kp > -2

条件2より

ラウス数列は

a2,a1,b1=a0

これは条件1と同じなので無視すると
結局

kp > -2/5

という式が残る。

(2) C(s) = kp*s+ki/s

とすると

特性方程式は

s(s^2+2s+2) + 5(kps+ki) = s^3 + 2s^2 + (5kp+2)s +5ki

条件1より

kp > -2/5
ki > 0

条件2より

ラウス数列は

a_3,_1,b1,c1=a_0

a_3 = 1
a_1 = 5kp+2
b1 = a_2*a_1-a_3*a_0/a_2 = 10kp+4-5ki/2
c1 = 5ki

意味があるはb1だけで、これが正となるのは

10kp+4 - 5ki > 0

ここまで来るとフルビッツの時と全く同じ式なので

結局


kp > -2/5
ki < 10kp+4/5

となる。

4.2.5 根軌跡

根軌跡とは、C(s) = k*C'(s)において

kを0から∞まで増大させた時の特性方程式

Δ = 1+k*P(s)C'(s) = 0

の根となる点の変化の軌跡である。
通常、複素平面上に根を×、零点を○で表し、kが増大する方向に矢印を書く。

例えば、P(s) = 5/(s^2+2s+2)
の根軌跡を考える。

C(s)=kp

とすると、特性方程式は

s^2 + 2s + (2+5*kp) = 0

この根は

s = -1±sqrt(-1+5kp)i

となるので、ここでkpが増大していくと、sの虚部が増大していくことになる。
これはつまり、目標値応答が振動的になっていくことを意味している。

例では、根を解析的に求めることができたが、実際には難しいことが多い。
そこで、以下に示す根軌跡の性質を利用することが多い。

性質1 根軌跡の支点はP(s)C'(s)のn個の極であり、終点はP(s)C'(s)のm個の零点とm-n個の無限遠点である。
    また、根軌跡は実軸に対して対称となる。

性質2 実軸上の点に対し、その右側に実軸上の極と零点があわせて奇数個存在するならば、その点は根軌跡上の点である。

性質3 無限遠点に向かう根軌跡n-m本の漸近線は、
    始点が (1/n-m * (Σ[i=1:n]{p_i} - Σ[i=1:m]{z_i}),0) p_i=極,z_i=零点
    勾配が (2l+π)/(n-m) l=0.1.2本の漸近線

性質4 d(1/P(s)C'(s))/ds = 0
    という式を満たす根が根軌跡上にあるとき、その点が実軸上での分岐点である。

性質5 根軌跡が虚軸と交わる点は安定限界を意味するので、前節の安定判別法で虚軸との交点が求まる。


例として以上の性質より

P(s)C'(s) = 1/(s+1)(s+4)(s+7)

であるときの根軌跡を考える。

性質1より、根軌跡の支点はP(s)C'(s)の極-7,-4,-1であり、零点を持たないのでこれらは無限遠点に向かう。

性質2より、実軸上に3つの極があるので、-7
性質3より、無限遠点に向かう根軌跡の3本の漸近線の支点は1/3*-12より、(-4.0)であり、勾配はそれぞれ1/3*π、π、5/3*πである。

性質4より、(s+1)(s+4)(s+7)をsで微分した、s^2+8s+13=0の根は-4±sqrt(3)なので、そのうち根軌跡上にある点(-4+sqrt(3),0)が実軸上の分岐点である。

性質5より、特性方程式は (s+1)(s+4)(s+7)+k = s^3+12s^2+39s+28+k

ラウスの安定判別法より、

k > -28 ,

a_2*a_1-a_3*a_0/a_2 = 12*39 - 28-k = 468 -28 + k > 0

より

-28 < k < 440

という条件が安定条件である。また、根軌跡上ではk>0なので

0
s^3+12s^2+39s+468の根

s = -12,±sqrt(39)i

であるため、虚軸との交点は(0,±sqrt(39)i)

である。

以上の性質を持った根軌跡を描くことが出来る。はず。やらないけど。

問題は略。MATLABつかっていつかやる。

4.3 フィードバック制御系の定常特性



4.3.1 目標値追従特性

本章で扱ってきたフィードバック系制御系では、目標値r(s)から偏差e(s)への伝達関数は

G_er(s) = 1/(1+P(s)C(s))

である。よってP(s)がC(s)によって安定化されているとき
偏差e(t)の定常値e_∞は

e_∞ = lim[t→∞]{e(t)} = s*lim[s→0]{G_ur(s)*r(s)}

とくに、目標値がステップ入力の時は

e_∞ = lim[s→0]{G_ur(s)} = 1/(1+lim[s→0]{P(s)C(s)})


これを、定常位置偏差と呼ぶ。
したがって、lim[s→0]{P(s)C(s)}が十分大きくなるようにC(s)を設計すれば、定常位置偏差は0に近づく。
定常位置偏差が0になるのはlim[s→0]{P(s)C(s)}=∞のときであり、例えば

P(s)C(s) = 1/s * P'(s)

のように、積分器を少なくとも一つ含むのならば、定常位置偏差は必ず0になる。
このような制御系を1型の制御系と呼ぶ。

問題4.6

4.3のフィードバック制御系において、制御対象が

P(s) = 5/s^2+2s+2

とする。
このとき
(1)C(s) = 2,5のときの定常位置偏差を求める

定常位置偏差e_∞は

e_∞ = 1/(1+lim[s→0]{P(s)C(s)})

C(s) = 2のとき、
P(s)C(s)) = 10/s^2+2s+2

よって

lim[s→0]{P(s)C(s)} = 5

よって
e_∞ = 1/6

C(s) = 5のとき

P(s)C(s)) = 25/s^2+2s+2

よって

lim[s→0]{P(s)C(s)} = 25/2

よって
e_∞ = 2/27


(2)
C(s) = 2s+1.25/s = (2s+5/4)/s

のときr、
P(s)C(s)) = 2/s^2+2s+2 * (2s+5/4)/s = (4s+5/2) / (s^2+2s+2)*s

よって

lim[s→0]{P(s)C(s)} = ∞

よって
e_∞ = 0

4.3.2

入力外乱抑制特性

次に、入力外乱d(s)から制御量y(s)を考える。
伝達関数は

G_yd(s) = P(s)/(1+P(s)C(s))

であり、入力外乱をステップ入力としたとき、定常値y_∞は

y_∞ = lim[s→0]{P(s)/(1+P(s)C(s))}

と、いつもの最終値定理より導出できる。
したがって、s→0の時、C(s)が十分大きくなるように設計すれば、ステップ状の入力外乱が制御量に与える影響を小さくすることができる。

完全にy_∞が0になるためには、lim[s→0]{C(s)} = ∞あるいは、P(0)=0

つまり、前と同じようにC(s)が積分器を一つふくんでいるか、あるいはP(s)が微分器を一つ含んでいる必要がある。

問題4.7

今回は、目標値なしで入力外乱がステップ入力であった時のy_∞を考える。
今回も

P(s) = 5/(s^2+2s+2)
C(s)もいつもの3種類で

C(s) = 2
C(s) = 5
C(s) = (2s+1.25)/s

である。

y_∞ = lim[s→0]{P(s)/(1+P(s)C(s))}

なので、

(1-1) C(s) = 2のとき、

P(s)/(1+P(s)C(s)) = 5/(s^2+2s+2) / (1+10/(s^2+2s+2)) = 5/s^2+2s+12

よって

y_∞ = lim[s→0]{P(s)/(1+P(s)C(s))} = 5/12

となる。

(1-2) C(s) = 5のとき、

P(s)/(1+P(s)C(s)) = 5/(s^2+2s+2) / (1+25/(s^2+2s+2)) = 5/s^2+2s+27

よって

y_∞ = lim[s→0]{P(s)/(1+P(s)C(s))} = 5/27

となる。

(2) C(s) = (2s+5/4)/sのとき、

P(s)/(1+P(s)C(s)) = 5/(s^2+2s+2) / (1+(10s+25/4)/s*(s^2+2s+2)) = 5/(s^2+2s+2) / (s*(s^2+2s+2)+(10s+25/2)/s*(s^2+2s+2)) = 5s/(s^3+2s^2+12s+25/2

よって

y_∞ = lim[s→0]{P(s)/(1+P(s)C(s))} = 0/(25/2) = 0

となる。

4.3.3 フィードバック制御における定常特性のまとめ

コントローラC(s) = kpとすると、

kpを大きくすれば、定常位置偏差e_∞は0に近づく。
ステップ状の入力外乱d(t)が制御量y(t)の定常値y_∞に与える影響は小さくなる。

しかし、過渡特性に置いて、極の虚部が増大するので、安定度が悪くなる。

また、コントローラC(s)に積分器を含ませることによって定常特性が

定常位置偏差が0になる
ステップ状の入力外乱d(t)が制御量y(t)の定常値y_∞が0になる

という特徴をもつ。

まとめ

4.2.4

フルビッツの安定判別法と等価のラウスの安定判別法がある。
これはフルビッツと同様2つの条件からなり、

条件1.特性方程式の全ての係数が正

条件2.ラウス数列の要素が全て正

である。
ここで、ラウス数列とは
ラウス表



| s^n| a_n,a_n-2...
|s^n-1|a_n-2,a_n-4...
|s^n-2| b1, b2...
|s^n-3| c1, c2...

ここで

b1 = (a_n-1*a_n-2)-(a_n*a_n-3)/a_n-1
c1 = (b1*a_n-3)-(a_n-1*b2)/b1

という表を作った時の第1列である。


4.2.5 根軌跡


根軌跡とは、C(s) = k*C'(s)において

kを0から∞まで増大させた時の特性方程式

Δ = 1+k*P(s)C'(s) = 0

の根となる点の変化の軌跡である。

通常解析的に求めることは難しいが、下に上げる5つの性質により推測することが出来る。

性質1 根軌跡の支点はP(s)C'(s)のn個の極であり、終点はP(s)C'(s)のm個の零点とm-n個の無限遠点である。
    また、根軌跡は実軸に対して対称となる。

性質2 実軸上の点に対し、その右側に実軸上の極と零点があわせて奇数個存在するならば、その点は根軌跡上の点である。

性質3 無限遠点に向かう根軌跡n-m本の漸近線は、
    始点が (1/n-m * (Σ[i=1:n]{p_i} - Σ[i=1:m]{z_i}),0) p_i=極,z_i=零点
    勾配が (2l+π)/(n-m) l=0.1.2本の漸近線

性質4 d(1/P(s)C'(s))/ds = 0
    という式を満たす根が根軌跡上にあるとき、その点が実軸上での分岐点である。

性質5 根軌跡が虚軸と交わる点は安定限界を意味するので、前節の安定判別法で虚軸との交点が求まる。


4.3

フィードバック制御系の定常特性について。
4.3.3で大体まとめられている。


わからないところ

根軌跡を考える際

P(s)C'(s)*kとおいたが、これは無条件のC(s)に対してのkを無理やり括り出して考えてみたってことでいいのだろうか
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