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制御工学その22

6.3 基本要素の周波数特性 続き

6.3.2 二次遅れ要素

二次遅れ系

P(s) = ωn^2/(s^2+2*ζ*ωn*s+ωn^2)

の周波数伝達関数は、

P(iω) = ωn^2/(-ω^2 + 2*ζ*ωm*ωi + ωn^2)

η = ω/ωnとすると

P(iω) = 1/((1-η^2) + 2ζηi)

となる。なので、ゲイン、位相差はそれぞれ

G_g = |P(iω)| = 1/sqrt((1-η^2)^2 + 2ζη^2)

G_p = ∠P(iω) = -tan-1(2ζη/(1-η^2))

となる。この時

ω << ωn (η ≒ 0 )の時

G_g = 20log(10){|P(iω)|} ≒ 20log(10){1} = 0
G_p = ∠P(iω) ≒ -tan-1(0) = 0

ω = ωn (η = 1)のとき

G_g = 20log(10){|P(iω)|} ≒ 20log(10){1/2ζ} = -20log(10){2ζ}
G_p = ∠P(iω) ≒ -tan-1(∞) = 90

ω >> ωn (η ≒ ∞)のとき

G_g = 20log(10){|P(iω)|} ≒ 20log(10){1/η^2} = -40log(10){η}
G_p = ∠P(iω) ≒ -tan-1(0) = -180

この時、d/dη(-tan-1(2ζη/(1-η^2))) = -1 * 1/1+2ζη/(1-η^2)^2 * 2ζ(1-η^2) - 2ζη*-2η/(4η) = -1 * X(X>0) * (2ζ + 4ζη^2) /4ζ
ただし X = 1/1+2ζη/(1-η^2)^2 で、これは単調減少なので、G_p = -180となる

ω = ωn付近では、減衰係数ζの値によって、ゲインが0を超えたり超えなかったりする。
ゲインが0を越える場合その周波数領域では、入力振幅より出力振幅のが大きくなるため、共振が起こる。その時の範囲を求める。

入力としてu(t) = A*sinωtを与えると、ゲインと位相差は分かっているので出力は

y(t) = A/sqrt((1-η^2)^2 + 2ζη^2)*sin(ωt + -tan-1(2ζη/(1-η^2)))

したがって、y(t)が最大となる条件は、

a(η) = sqrt((1-η^2)^2 + 2ζη^2)が最小となる時である。

a(η)を微分すると

a(η)' = 4η(n^2+2ζ-1)

となるので、これの根=極点は

η = 0, ±sqrt(1-2ζ^2)

である、そのため、ζの値によって実数根の数が異なり

(1)0<ζ
a(0) = 1
a(sqrt(1-2ζ^2)) = (1-1+2ζ^2)^2 + 2*ζ*sqrt(1-2ζ^2) = 4ζ^4 + sqrt(2ζ-4ζ^3)

なのでη = sqrt(1-2ζ^2)のとき最小値を取り、

ピーク周波数

ωp = ωn*sqrt(1-2ζ^2)

の時y(t)の振幅が最大値となり、その時の共振ピークは

Mp = 1/(2ζ*sqrt(1-ζ^2))

である。

(2) ζ > sqrt(1/2)

の時、実数解は0のみで、あるので、振幅の最大値はAであり、入力振幅を越えることはない、

以上より、共振は0<ζ
2次遅れ系の周波数特性をいかにまとめる。

・低周波数 0<ω<<ωn
 ・ゲイン、位相の遅れ共にほぼ0

・高周波数 ω >> ωn
 ・ゲインは-40[dB/dec]で減少し、位相は最大で180°遅れる

・バンド幅
 ・ωnが大きくなるとバンド幅も大きくなるため、速応性が向上する

・ピーク周波数
 ・減衰係数ζが 0<ζsqrt(1/2)のとき共振が生じ、共振ピークは 1/(2ζ*sqrt(1-ζ^2))となる。
  したがって、安定度は減衰係数ζ飲みに依存し、ζが0に近づくと収束性が悪くなる。


6.3.3 比例要素と積分要素、微分要素


(a)比例要素

比例要素P(s) = K

のゲイン、位相差はそれぞれ

G_g = K
G_p = 0

であるので、周波数ωに依存せず常に一定である。

(b)積分要素

積分要素P(s) = 1/Tsについて考える。

ゲイン、位相差はそれぞれ

G_g = 1/ωT
G_p = tan-1(1/ωT/0) = -90°

なので、ゲインは高周波数になるにつれ-20[dB/dec]で減少し、位相差は常に-90°である。

(c)微分要素

P(s) = Tsについて考える。
ゲイン、位相差はそれぞれ

G_g = ωT
G_p = -tan-1(ωT/0) = 90°

したがってゲインは高周波数になるにつれ20[dB/dec]で増加し、位相差は常に90°である。

何で符号が違うんだろうか。

6.3.4 一次進み要素

P(s) = 1+Ts

について考える。
ゲイン、位相差はそれぞれ

G_g = sqrt(1+ωT^2)
G_p = tan-1(ωT)

となる。したがって、ゲインは高周波数ω >> 1/Tでは20[dB/dec]で増加し、位相差は90°進んでいる
また、低周波数では位相差は殆ど無い。

6.3.5 高次要素のボード線図

以上の基本要素を用いると、基本要素の積で表される関数を簡単に表すことができる。つまり

G_g = 20log(10){|P(iω)|} = Σ[1-n]{20log(10){Pi(iω)}}
G_p = ∠P(iω) = Σ[1-n]{∠Pi(iω)}

である。したがって、基本要素のボード線図を足したものがp(s)のボード線図となる。

例略

MATLABらへんのときにやってみる

問題6.8

むだ時間要素のベクトル軌跡を考える

(1) P(s) = e^-Ls

P(iω) = e^-Lωi = cosLω - i*sinLω

よってゲイン|P(ωi)| = 1


ω = 0 のとき

∠P(ωi) = -tanLω = 0

で円である。

(1) P(s) = e^-Ls/1+Ts

L =1 ,T =0.2なので

P(iω) = e^-ωi/1+0.2ωi

|P(ωi)| = 1*1/sqrt(1+0.04ω^2)
∠P(ωi) = -tanLω + -tan-1(Tω) = -tanω - tan-1(0.2ω)

となり、うずまき状になる。

まとめ

前回からの続きで、様々な基本要素の周波数特性を調べた。
以下にそれぞれのまとめを書く

(1)2次遅れ系

・低周波数 0<ω<<ωn
 ・ゲイン、位相の遅れ共にほぼ0

・高周波数 ω >> ωn
 ・ゲインは-40[dB/dec]で減少し、位相は最大で180°遅れる

・バンド幅
 ・ωnが大きくなるとバンド幅も大きくなるため、速応性が向上する

・ピーク周波数
 ・減衰係数ζが 0<ζsqrt(1/2)のとき共振が生じ、共振ピークは 1/(2ζ*sqrt(1-ζ^2))となる。
  したがって、安定度は減衰係数ζ飲みに依存し、ζが0に近づくと収束性が悪くなる。


(2)比例、積分、微分要素

(a)比例要素

比例要素P(s) = K

G_g = K
G_p = 0

であるので、周波数ωに依存せず常に一定である。

(b)積分要素

積分要素P(s) = 1/Ts

G_g = 1/ωT
G_p = tan-1(1/ωT/0) = -90°

なので、ゲインは高周波数になるにつれ-20[dB/dec]で減少し、位相差は常に-90°である。

(c)微分要素

P(s) = Tsについて考える。

G_g = ωT
G_p = -tan-1(ωT/0) = 90°

したがってゲインは高周波数になるにつれ20[dB/dec]で増加し、位相差は常に90°である。


(3)一次進み要素

P(s) = 1+Ts

G_g = sqrt(1+ωT^2)
G_p = tan-1(ωT)

となる。したがって、ゲインは高周波数ω >> 1/Tでは20[dB/dec]で増加し、位相差は90°進んでいる
また、低周波数では位相差は殆ど無い。



さらにこれらの基本要素の積で表される高次要素についても、ボード線図を簡単に考えることができる。つまり

G_g = 20log(10){|P(iω)|} = Σ[1-n]{20log(10){Pi(iω)}}
G_p = ∠P(iω) = Σ[1-n]{∠Pi(iω)}

である。したがって、基本要素のボード線図を足したものがp(s)のボード線図となる。

わからないところ

微分要素と積分要素で角度が違うのが気になる。アークタンジェントについての理解が足りない。
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