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制御工学その24

7 周波数領域での制御系解析/設計



本章では、まずナイキスト軌跡からシステムの安定性が判別できることを示し、安定余裕について説明する。
また、制御性能を周波数領域で捉え、周波数整形という観点からコントローラを設計する例を示す。


7.1 周波数領域における安定性



7.1.1 ナイキストの安定判別法

周波数領域において、フィードバック制御系の安定性を、ナイキスト線図からみることができる

ナイキストの安定判別法

開ループ伝達関数P(s)C(s)の不安定極の数をn_p,P(s)C(s)のナイキスト線図が(-1,0)を周回する回数をN回とすると
フィードバック制御(閉ループシステム)が安定である条件はn_p = Nである。

この安定判別法は、ナイキスト線図から視覚的に判断できるという利点がある。
安定判別法について細かく分析する。

開ループ伝達関数を

P(s)C(s) = L(s) = NL(s)/DL(s)

とすると、

閉ループ伝達関数

T(s) = P(s)C(s)/(1+P(s)C(s))は

T(s) = NL(s)/(NL(s)+DL(s))

となる。したがって極は

1+P(s)C(s) = (NL(s)+DL(s))/DL(s) = 0

の根に等しい。これを

1+P(s)C(s) = K * (s-z1)(s-z2).../(s-p1)(s-p2)...

と考え、それぞれの根、零点と
原点中心、半径無限の右半円上の複素数点sとの差を考える。
すると

極との差v1 = s-p1 = |s-p1|*e^θ1*i ...
零点との差w1 = s-z1 = |s-z1|*e^φ1*i ...

とそれぞれ定義できる。

ここで、sを時計回りに一周させると、

v1,w1が右半面にあるとき時計回りに一回転する。

また

1+P(s)C(s) = |s-z1|../|s-p1|.. * e^i*(θ1+...-φ1-...)

であるため、右半面上に極がnp個、零点がnz個あるとき、
1+P(s)C(s)が原点を周回する回数はnp-nz個である。
np-nzがマイナスなら反時計回りになる。

一方、閉ループシステムが安定であるためには、零点の実部は全て負でなければならないため、
原点を周回する回数はnp回でなければならない。
そして、1+P(s)C(s)が原点を周回する回数はP(s)C(s)が(-1,0)を周回する回数である。

以上より、原点周回回数が根の数と等しい時、システムは安定である。


7.1.2 簡略化されたナイキストの安定判別法

P(s)C(s)が安定ならば、P(s)C(s)の不安定極の0である。
その場合、閉ループシステムが安定であるためには、ナイキスト軌跡が(-1.0)を周回する回数が0回でなければならない。

さらに、ナイキスト軌跡が実軸対称であることを考えると、半ループが(-1,0)より常に右側に存在していれば、(-1,0)を周回しないことがわかる。
以上より

簡略化ナイキスト安定判別法

P(s)C(s)が安定であるならば、P(s)C(s)のベクトル軌跡が常に(-1,0)より右側にあれば、システムは安定である。
そうでない場合、システムは不安定である。


まとめ

ナイキストの安定判別法によって、ベクトル軌跡を見るだけで安定かどうか分かるようになる。らしい。

ナイキストの安定判別法

開ループ伝達関数P(s)C(s)の不安定極の数をn_p,P(s)C(s)のナイキスト線図が(-1,0)を周回する回数をN回とすると
フィードバック制御(閉ループシステム)が安定である条件はn_p = Nである。

さらに

簡略化ナイキスト安定判別法

P(s)C(s)が安定であるならば、P(s)C(s)のベクトル軌跡が常に(-1,0)より右側にあれば、システムは安定である。
そうでない場合、システムは不安定である。

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