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制御工学その25

例7.2 簡略化されたナイキスト安定判別法の利用例

安定な一次遅れの制御対象

P(s) = 1/1+Ts  T>0

C(s) = kp  kp>0

を考える。
閉ループ伝達関数

L(s) = kp/(1+Ts)

のゲイン、位相差は

L_g = |L(ωi)| = kp/(1+Tωi) = kp(1-Tωi)/(1+(Tω)^2) = sqrt(kp^2/(1+(Tω)^2)^2 + kpTω^2/(1+(Tω)^2)^2)) = sqrt(kp^2(1+Tω^2) / (1+Tω^2)^2)
  = kp*sqrt(1+(Tω)^2) / 1+(Tω)^2 = kp/sqrt(1+Tω^2)

L_p = ∠L(ωi) = tan-1(-Tω) = -tan-1(ωT)

なので、ω=0 の時、L_g = kp, L_p = 0
ω = ∞の時、L_g = 0 , L_p = 90

また、L(ωi) = kp(1-Tωi)/(1+(ωT)^2)

の虚部が0となるのはω=0の時のみであるので、L(ωi)のベクトル軌跡は0の右側の無限大から0へ向い、
(-1,0)の常に右側である。したがって、このシステムはkpによらず安定である。

問題7.1

簡略化ナイキスト安定判別法によりシステムを調べる

P(s) = ω_n^2/(s^2+2ζω_ns+ω_n^2)



C(s) = kp

を調べる。

制御対象L(s) = kp*ω_n^2/(s^2+2ζω_ns+ω_n^2)の周波数伝達関数は

L(ωi) = kp*ω_n^2 / (-ω^2 + 2*ζ*ω_n*ωi + ω_n^2) = kp*ω_n^2 / (ω_n^2-ω^2 + 2ζω_nωi) = kp*ω_n^2*(ω_n^2-ω^2-2ζω_nωi) / ((ω_n^2-ω^2)^2 + (2ζω_nω)^2)

ここから、ゲインと位相差を求める

ゲイン = L_g = sqrt((kp*ω_n^2*(ω_n^2-ω^2))^2 + (kp*ω_n^2*2ζω_nω)^2 / ((ω_n^2-ω^2)^2 + (2ζω_nω)^2)

位相差 = L_p = -tan-1(2ζω_nω/ω_n^2-ω^2)

ω = 0のとき

L_g = kp*ω_n^2
L_p = 0

ω = ∞のとき
L_g = 0
L_p = ∞


実部は

kp*ω_n^2*(ω_n^2-ω^2) / ((ω_n^2-ω^2)^2 + (2ζω_nω)^2)

ω = 0 のとき kp*ω_n^2
ω = ∞のとき 0

よって-1,0の常に左側……本当か?


問題7.2

(1)

P(s) = 1/(s+1)^2(s+2)

L(s) = kp/(s+1)^2(s+2)

L(ωi) = kp/(ωi+1)^2*(ωi+2)

  = kp(ωi-1)^2*(ωi-2) / (1+ω^2)^2*(4+ω^2)

  = kp*(1-2ωi-ω^2)*(ωi-2) / (1+ω^2)^2*(4+ω^2) = -kp*(2-4ωi-2ω^2 - ωi - 2ω^2 +ω^3i) / (1+ω^2)^2*(4+ω^2) = kp*(4ω^2-2 + 5ωi-ω^3i) / (1+ω^2)^2*(4+ω^2)

ゲイン = kp/|ωi+1|^2*|ωi+2|

|ωi+1| = sqrt(1+ω^2)
|ωi+2| = sqrt(4+ω^2)

L_g = kp/ (1+ω^2)*sqrt(4+ω^2)
L_p = -ω^3+5ω/4ω^2-2

ω = 0のとき

L_g = kp/3
L_p = 0

ω = ∞のとき

L_g = 0
L_p = -270

また、虚部が0のとなるのは

5ω-ω^3 = ω^2-5 = 0のときで

ω = sqrt(5)

L_g(sqrt(5)) = kp/6+3 = kp/9

あれー答えとあわないなあ

(2)

P(s) = 1/s(s+1)(s+2)

周波数伝達関数は

L(ωi) = kp/ωi(1+ωi)(2+ωi) = kp*i*(1-ωi)*(2-ωi) / -ω*(1+ω^2)*(2+ω^2) = kp*(-ω^2i+3ω+2i) / -ω*(1+ω^2)*(2+ω^2) = kp(3ω + (-ω^2+2)i) / -ω*(1+ω^2)*(2+ω^2)

ゲインは

L_g = kp/|ωi|*|1+ωi|*|2+ωi|

= kp/ ω*sqrt(1+ω^2)*sqrt(4+ω^2)

虚部が0となるのは

-ω^2+2 = 0

ω = sqrt(2)

その時のゲインは

kp / sqrt(2)*sqrt(3)*sqrt(6) = kp/6

なので安定するkpは

0
となる。
こっちはあってる


7.1.3 安定限界の定義

一般に、コントローラのゲインを大きくすると、安定性は失われていく。
ここでは、閉ループシステムのの安定度、つまり、不安定になるまでにどの程度余裕があるのかを調べる。

なお、不安定になるまでの余裕を安定余裕という。
安定余裕を示す指標として、ゲイン余裕と位相余裕がある。

周波数伝達関数において、位相=-180°となったときに、ゲインが1にどの程度余裕があるのかをデシベル表示で表したものをゲイン余裕という。

G_M = -20log(10){Lω_pc*i}

と定義される。ここでω_pcは位相が-180度となるときのωである。
これを位相交差周波数と呼ぶ。

つまり、ゲイン余裕は位相交差周波数とにおけるゲインと1との比である。
なので

G_M > 0 のとき安定
G_M = 0 のとき安定限界
G_M < 0 のとき不安定

となる。

また、ゲインが1のとき、位相が-180になるまでどの程度余裕があるのかを表したものを位相余裕と呼ぶ。

P_M = 180 + ∠L(ω_gc*i)

で定義される。
ω_gcはゲインが1になるときの周波数で、ゲイン交差周波数と呼ばれる。

したがって

P_M > 0 のとき安定
P_M = 0 のとき安定限界
P_M < 0 のとき不安定

となる。

例略

ゲイン余裕、位相余裕が高くなるほど安定度は高くなるが、安定度を高くし過ぎると応答が遅くなる。
そのため、安定度の目安が大まかに用いられている。

プロセス制御の場合
ゲイン余裕が3~10
位相余裕が20以上

サーボ機構の場合
ゲイン余裕が10~20
位相余裕が40~60

となっている。

問題7.3

P(s) = 1/(s+10)^4

とC(s) = kpで構成される

周波数伝達関数は

L(ωi) = kp/(ωi+10)^4 = kp(10-ωi)^4/(10+ω^2)^4 = (ω^4 + 4ω^3i - 204ω^2 - 400ωi + 10000) / (10+ω^2)^4

= kp*(100-2ωi-ω^2)^2 = kp*(10000

ゲイン = kp/(100+ω^2)^2


位相交差周波数 = Im[L(ωi)] = 4ω^3-400ω = 0

ω^2 - 100 = 0

ω = 10

よって10deg

ゲイン交差周波数

kp/(100+ω^2)^2 = 1

kp = (100+ω^2)^2

100+ω^2 = sqrt(kp)
ω^2 = sqrt(kp)-100
ω = sqrt(sqrt(kp)-100)

ゲイン余裕

ω_pcの時のゲインは

L(ω_pc*i) = kp/40000

G_M = -20*log(10){kp/40000} = -20(log(10){kp} - log(10){40000}) = -20(log(10){kp/4} - 4) = 80 - 20log(10){kp/4}

位相余裕

位相は

L_p = tan-1(4ω^3-400ω/ω^4-204ω^2+10000)

ω_gc = sqrt(sqrt(kp)-100)

計算略

P_M = 180 - 4tan-1(sqrt(sqrt(kp)-100)/10)

これが60となるようなkpを求めればよいので

tan-1(sqrt(sqrt(kp)-100)/10) = 30

sqrt(sqrt(kp)-100)) = 10/sqrt(3)

(sqrt(kp) - 100) = 100/3

sqrt(kp)= 100/3 + 100 = 400/3

kp = 160000/9

まとめ

ナイキストによる判別法の使用例と、安定限界について

システムが不安定になるまでの余裕を安定余裕と呼ぶ。

安定余裕を示す指標として、ゲイン余裕と位相余裕がある。

周波数伝達関数において、位相=-180°となったときに、ゲインが1にどの程度余裕があるのかをデシベル表示で表したものをゲイン余裕という。

G_M = -20log(10){Lω_pc*i}

と定義される。ここでω_pcは位相が-180度となるときのωである。
これを位相交差周波数と呼ぶ。

つまり、ゲイン余裕は位相交差周波数とにおけるゲインと1との比である。
なので

G_M > 0 のとき安定
G_M = 0 のとき安定限界
G_M < 0 のとき不安定

となる。

また、ゲインが1のとき、位相が-180になるまでどの程度余裕があるのかを表したものを位相余裕と呼ぶ。

P_M = 180 + ∠L(ω_gc*i)

で定義される。
ω_gcはゲインが1になるときの周波数で、ゲイン交差周波数と呼ばれる。

したがって

P_M > 0 のとき安定
P_M = 0 のとき安定限界
P_M < 0 のとき不安定

となる。


わからないところ

問題7.2-1
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